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センター試験政治・経済集中講義 三訂版
センター政経(倫政)対策ならこれ一択ですね!
さて、受験業界では、「センター政経対策なら、この『集中講義』!」というのが、ここ7・8年の常識となっているのではないでしょうか? 2010年の改訂版の出版直後から、瞬く間に、受験生や教員・予備校関係者の間で話題に。そして、現行の三訂版(2015年出版)へのパワーアップを経て、他の追随を許さぬ不動の地位を確立した、名著中の名著です! それを裏付けるように、このAmazonのレビューでは、高評価を長年に渡って維持し続けています。ちなみに、本書の帯ではそのことが宣伝文句として採用されているんですよ! 私(あべ)自身、今まで出会った学参の中で最高の一冊だと思っております。不動の一位です! なぜ、本書は世間でそれほどの信頼を勝ち得ているのか。以下でその理由を確認しましょう! 1.“見開き1ページ”でまとめられた各項目の“的確かつシンプルでわかりやすい”説明 本書と言えば、まず上述のように、「全項目の必要事項が“見開き1ページ”で秀逸にまとまっている」のが特徴です。 センター「政経」(「倫政」を含む)は、文理問わず「時間をかけられない」科目です。(自身の職業柄、民主主義の根幹ともいえる「公民教育」の観点から言うと、実に良くないことなのはわかっているんですけどね…。)それ故に、「出題傾向を熟知した実力ある指導者の円滑かつ効果的な指導」が必要不可欠なんですよね。 すなわち、センター試験の頻出項目に精通し、「ここが大事!」というポイントを的確に狙い撃ちして、簡潔かつ分かりやすく、他の項目と上手に関連・比較させながら教授できる指導者に教え導いてもらうことが肝要だ、ということです! この点に関して、本書の著者である金城先生は、“レジェンド”と称すべき方です。 ただ漠然と各項目の「頻出用語」を羅列するのではなく、「必要十分さ」を追究した“簡潔かつ漏れのない鮮やかな解説文”でこれらを“有機的”に結び付けながら説明してくれます。 それを“見開き1ページ”で構成するという、「一覧性」を持たせて実現しているのですから、言うことなしですね。 2.“正誤ポイント”を熟知した、簡潔なのに“漏れのない” 圧倒的な執筆力 さて今、上述の「1」を見て、「『集中講義』は簡潔だからいいんだ」と思ったあなた!それは、半分正解で半分誤った認識です。 「簡潔」にするだけなら「内容を減らす」という手法を取ればいいのですから、正直簡単。しかし、その際に生じるのが、「掲載すべき情報の取りこぼし」です! 地歴公民の参考書においては、それは実に致命的な欠陥。それらの指導では、「何をどこまで覚えるか」を明確に示せることが講師の実力に直結するからです。 その上で、本書が何よりも優れているのが、「“正誤ポイント”になる“センター試験上の重要事項”を“漏れなく”(→ここが重要)的確な優先順位をつけて簡潔に記述してくれる」ことです。 より核心に切り込んだ重要なことを言いますが、「センター試験の基本事項」と「教科書の基本事項」はイコールではありません!そこには、「ズレ」が存在するのです。 そんな中、本書はその「ズレ」を実にうまく埋めてくれます。 そのために、赤の太字や波線といったフォント面での表現上の工夫を施し、「最重要(赤太字)→重要(波線太字)→読んで理解(ノーマル)」といった頻出度別の情報提供を実現しているのが秀逸。 特に、「波線&太字」で示された項目は、(少々)難易度高めの選択肢で“正誤ポイント”になる部分を的確に捉えて記述してくれています。 「教科書的基本事項」の「赤太字」はもちろんのこと、「センター的基本事項」の重要な一翼を担う「波線&太字」までしっかりと覚えていけば、センター政経の高得点が一気に近づきます。 それ故に、本書は大変効果的な学参としてこれほど巷で評価されているのでしょう! 3.「時間がない!」そんな人にも使いやすい、工夫に満ちた全体構成 さて、その上で、本書の工夫はここまで説明した点に留まりません。 少し重複しますが、「時間がない人も短時間で効果を上げられる」ことが、本書が万民にウケるポイントでしょう。 それは、先に示した「テーマの要点整理」に限った工夫ではないのです! そこに加えて、「ここがセンター試験のツボだ!!」→「実力テスト(過去問)」→「必携一問一答問題集」という、その後の書籍の展開全体でそれが実現されています。 特に、「ここがセンター試験のツボだ!!」と「必携一問一答」に関しては、あまりの出来の高さにびっくりですよ!
望月光の古文教室 古文読解編
考え抜かれた内容構成! 大ベテランの技が輝く超注目作。
ついに出ました!望月先生の古文読解系参考書!! 『望月光のセンターはこれだけ! 古文』(文英堂)以来、筆者(あべ)が心待ちにしていた代ゼミの伝説的古文科講師・望月先生が執筆なさった、本格的な“古文読解系参考書”です。 早速ですが、こちらも、先日レビューした『望月光の古文単語333 (超基礎がため)』に続いて、注目作になりそうですね。 以下で、本書の特徴を概観していきましょう! 1.コンパクトに多彩な知識を習得可能! まずは、“255ページ”という類書と比べて限られた紙幅の中で、 「古文読解の基本」→「古文読解用の助詞(文法知識)の解説」→「文学作品常識」→「古文常識」→「和歌の読解法」 という、広範かつ多彩な古文読解の内容を“教育的な工夫”に満ちた緻密な配列で紹介しています。 類書では、薄めの古文読解系参考書の場合、紙幅の関係上、「古文常識を省く・最小限にする」とか「文学作品常識を前述と同様に扱う」といった措置がなされることが多いのです。 一方、本書では、「教室シリーズ」の美点である「余白や柔らかい挿絵が多い“余裕ある紙面構成”」を保持しつつ、内容を取捨選択して、一冊で古文読解に必要な様々な要素を学習できるように工夫されています。 2.これぞ学参の鑑!“引き算・掛け算の美学”が実現された一冊 さて、1に関連して、ひと言ご忠告があります! 正直に言えば、紙幅の限定のある中で多彩な項目を扱う訳ですから、より高い完成度を目指すという観点で言えば、「必要最低限だ」とか「内容が不足している」と感じる部分が散見されることは否定できません…。 特に、「登場人物の動向を的確に把握する」という観点では本書には不安が残ります。 (上述に関しては、同旺文社の山下幸穂氏(河合塾)の『古文読解演習ドリル』の方が明瞭かつ効果的な記述が見受けられますね!) とはいえ!!(ここからが大切です!本段はいつもと違ってここでは終わりません。)筆者(あべ)は、何度も本書を読み返すうちに、これも“本書の狙い”ではないかという結論に行き着いたのです。 さて、一般論を言えば、「古典には時間をかけていられない」という巷の大多数の高校生・受験生の意見があることは紛れもない事実です。 そんな声をしっかりと捉えながら、「つまみ食い」的ではありながらも“古文攻略の王道”と称すべき“多彩で複合的な古文の知識の運用”の重要性を着実かつ効果的に経験させていく本書。 これは、読み返すうちに、 ・「学校・予備校の授業や読解問題集での経験を積む中で、古文常識などの知識面に関しては十分に拡充されて、入試を迎える時点で古文攻略が達成されている」 という ・「本書からはじまり完成される“本質的な学びの連続的経験”」 とでも表現すべき「優れた教育的配慮」があることが、「はじめに」を読んでも、紙面のあちこちからも、アリアリと伝わって来るようになったんですよね。 まさに、古文だけに、「先達はあらまほしきことなり。」(『徒然草』より)を体現する一冊になっていますね! 「王道の“要所要所”を的確に案内しつつ、“良い意味”でこの一冊では“学習が完了しない参考書”」という、「“引き算=内容の取捨選択”」と「“掛け算=多彩な項目の複合的な利用”」の見事なバランス感覚での書籍化。 「なるほど!こんなコンセプトの学参も最高だな!!」と、あべが新しい発見をさせられた、これまた“脱帽”の望月先生の一冊です。 3.「助詞をないがしろにしない」という執筆態度 さて、本書で取り上げられる“解説内容”の面で特筆すべき項目を一つ上げるとすれば、それは標題の通り、「助詞をないがしろにしない」という望月先生の執筆態度です。 途中に出てきますが、「掲載する文法事項を絞るべき」という提案をなさった編集者の江尻氏と、そのアドバイスを真摯に受け入れ、中でも「助詞」を採用された望月先生のご英断は、まさに本書の輝きを一気に高めることとなったと思います。 特に、平成20年代以降の古文の読解指導において、高校や予備校を問わず、時間的制約から「助詞を体系的に扱わない」という授業が多く見られます。 それ故に、「古文読解に絡めて、助詞だけを効果的に学べる学参が出ないかな?」と思っていた矢先の本書でしたから、実にありがたい一冊ですね。 望月先生は明確に「アウトライン」を示し、「学びへの道標」をきちんと提示していたわけですから、出会えるかは運任せの「場当たり的指導」とはまるで違います。 ~古文読解参考書の新定番現る! 皆さんも本レビューをご参考にどうぞ~
化学の良問問題集[化学基礎・化学]
「『良問』と『重問』どちらを選ぶ…?」 そんなアナタに捧ぐ!
一言でいえば、“旺文社版 重要問題集”といったところ。 数研の『実践 化学重要問題集』(以下、『重問』)にそっくりな紙面構成になっており、明らかに『重問』を意識したつくりになっていますね。内容のみならずこれほど紙面構成まで寄せているのは、類書溢れる学参業界でも珍しいです。 そのため、どちらを選ぶか悩んでいる人も多いと思います。 そこで、本レビューでは、読者の皆さんが理解しやすいよう、両者を対比しながら説明を進めます! 1.解説面の特徴 解説そのものは“詳しめ”という評価。「とても詳しい」とまでは言えませんが、学習者の疑問点を解消するには、まずまずなものと言えるでしょう。 ただ、付言すれば、『重問』では、「問題自体の解説」に加えて、右側に“欄外”を設定して脚注のような形で「より基本的な知識事項の紹介」や「理解を助ける追加の解説」が多く盛り込まれています。 一方、『良問』にも類するものが設けられていますが、“比較的あっさり”と書かれている印象です。分量としては多くありません。 こうした基本事項の説明などがあると、問題演習をしながら基礎に立ち返りつつ学習できるので、多くの知識を整理・吸収でき、今後につながる効果的な学習が出来ます。 この点では、『良問』は「改訂版に期待」といった印象ですね。 2.問題の配列に関する特徴 逆に、「問題の難易度が初歩から入試実践レベルまで三段階にレベル分けされていて、順を追って学習しやすい」のは、『良問』の側の美点でしょう。 『重問』では、いきなり「入試基本~標準レベル」の問題からはじまりますが、『良問』は「基礎レベル」の問題から掲載されており、階段をのぼるように基礎から順番に学習できるのが嬉しいところ。何事も基礎が肝心!特に受験勉強はそれにつきます。 とはいえ、上述のような特徴を持つ『良問』と言えども、『セミナー』や『リードα』などの教科書傍用問題集や、特に『基礎問題精講』(以下、『基礎問』)を一通りこなしてから利用しないと、「必須問題」や「レベルアップ問題」のレベル的に途中で挫折する可能性もあるので、注意が必要です! 参考書・問題集は「薬」と一緒です。薬は服用の仕方や順番を間違えると本来の効力を発揮してくれないばかりか身体に悪影響を与えることがありますよね? 優れた参考書や問題集も使用方法や順序を間違えると効果が低下するばかりか、その教科への知的好奇心を阻害することにもなりかねないので、自分のレベルと状況をきちんと冷静に把握して、利用するものを正しく選択しましょう! 3.問題数 問題数は合計341題で、内訳は「理論化学184、無機化学56、有機化学62、高分子化合物39」となっています。『重問』の問題数268題(理論化学145、無機化学43、有機化学45、高分子化合物22、総合問題13)と比べても約70題ほど数が多いですね。 これは、他と比較しても多く、「類書の中で最多クラスの問題数」と帯で宣伝しているだけはあります。 こうなっている理由は、「基礎レベル」の問題から構成される「確認問題」を掲載していることにあると筆者(アベ)は考えます。 そのため、時間的な余裕がないと、教科書傍用問題集や『基礎問』をやったうえで『良問』一冊全部をきちんとこなしてモノにするのはなかなか至難の業です…。 ただ、「『基礎問』などをぶっ飛ばして、問題集一冊で入試レベルの問題に一定程度は対応できるところまで到達せねば…!」という、時間的に追い詰められた受験生であれば、話は別。 取り組むべき100題をピックアップしてくれているなど、優先順位をつけて学習しやすい点からも、上述のような学習者に持って来いと言えるこちら。「『良問』を一冊やりこなして、ここにある内容をきちんと身につけましょう!」という形でやることは、十分に効果的な学習法だと言えます。(ちなみに『重問』ではそういう学習法は推奨できません。) 4.注目著者・柿澤壽先生 さて、『良問』について何よりも特筆すべき点は、共著のひとりとして、化学(基礎)の分野で最近大人気の参考書である『とってもやさしい化学・化学基礎』の著者、柿澤壽先生の名が入っているということです。 「とってもやさしい」という書名の通り、とても分かりやすくかつ必要十分な情報を解説して下さる柿澤先生は、この『良問』でも余すところなくその力を発揮されています。 そのため、解説の質や本の題名でもある「良問」の選定の質としては、類書と比較しても高いと言えます。 ~本レビューを参考に、皆さんの状況を踏まえてご利用をお考えくださいね!~
数学Ⅱ・B標準問題精講 改訂版
“まずまず”の網羅性と精選性を持った「ハイレベル問題集」
本書は、一言でいえば、「ハイレベルな網羅系数学問題集」です。これ一冊を“完璧” に仕上げれば、文系生はもちろん理系生も、確実に数学を得点源にできます。 ただ、実際に本書にじっくりと取り組んで様々な分野を眺めてみますと、問題の選択や解説内容について、「皆さんにおススメです!」とはどうしても言いにくい特性がいくつも浮かび上がってきます…。 以下では、その内実を詳しく見ていきましょう。 1.問題・解説のレベル ―本書の使用対象者を検討しながら― 端的に言うと、あべの考える本書の使用対象者は、「現時点で数学が一定程度でき(=大手予備校の全国模試で偏差値60程度)、数学を得意教科として入試の武器にしたい」という学習者です。 それは、 ① 入試問題の中でもそこそこなレベルの問題が取り上げられている。 ② 全般的に問題の配列が「学習標準レベル」から「入試一般レベル」へとスムーズに誘導されていない。(分野によって差があり。例:〇→図形と方程式、指数・対数関数、△→三角関数、×→数列) ③ 解説の中で途中式や論理的な部分での説明が省かれているところが散見し、本書の使用に数学への“慣れ”が求められる。 ④ 「研究」欄に採用される、公式の証明法や発展的内容に高度・抽象的な内容が適宜盛り込まれており、学習者が理解するには相応の困難が予想される。 という4点が主な理由。 そして、この4点から、「“入試レベル”(※「学習上」ではない)の初・中級者から使えて、この一冊であらゆる皆さんをバッチリ合格レベルまで導きます」というコンセプトではないことは、本レビューを読んでいる皆様もお気づきの通りです。 正直、この問題集をざっと見ていた時期は、「チャート式にかわりうる期待の良書現る!」と心躍らせていたのですが、しっかり腰を据えて取り組むにつれて上述のような現実がわかってきて、私(あべ)は期待が大きかった分、ショックも大きいものでした…。 ただ、「ハイレベル・難関大向け」というのは、問題集でよくあるコンセプトであり、それ自体が悪いわけではありません。 とはいえ、このタイプの本は「使う人を選ぶ」ことになります。そのため、「みんなが使いやすい全受験生必携の一冊」とはなりにくく、本書についても「誰でもこれを使えば安心です」とは言えません。 今後他のレビューで紹介していきますが、たとえ目標地点が「ハイレベル・難関大学」であっても、「学習者のレベルを問わず使える一冊」は存在するものです! そういう観点からみると、玄人目には、この問題集はどうしても「解説の難しさ」からマイナスな印象が払拭できないのが本音ですね。 2.掲載される問題の“まずまず”の網羅性と精選性 とはいえ、本書は「網羅性」・「精選性」という意味では「まずまず」の出来。十分に合格点です。 前段から垣間見えたかもしれませんが、あべは、クリアすべき問題数が“かなり”多くて本当に重要な問題がぼやけがちな「チャート至上主義」には懐疑的立場です。 それは、「より精選された問題をより洗練された緻密な配列で構成することで、より効果的に数学を楽しんで学習できる」と思っているためです。 その意味では、本書は「チャート」に殴り込みをかけうる一冊です! 例えば、文理問わず最頻出の「数列」分野を取り上げてお話ししましょう。 チャートでは、例題だけでなんと「約50問」あるのですが、本書では、それが20問弱まで圧縮されています。単純計算で4割に削減されていますね。 しかし、ここでしっかりとプロの予備校講師の技が光っており、ただ問題を削るのではなく、「本当に必要な入試頻出の問題」はきちんと網羅しつつ、「一問で多くのことを吸収できる良問」を並べるという精選を行うことで、効率的かつ実践的に入試対応力をつけることができるよう配慮されています。 とはいえ、今挙げた「数列」など分野によっては、「この問題も頻出なのに…」といった問題が落ちてしまっていたり、「(入試レベルの)初級が省かれすぎ!」という事態が発生していたりします。 また逆に、「三角関数」などでは「これは優先度が低いよ…」といった問題が入ってしまっているのは看過できないポイントです。 そのため、近年の入試動向に鑑みると、“まずまず”の網羅性という評価になる訳なんですよね! ただ、繰り返しになりますが、チャートの例題数「350弱」に比べて、本書では例題数が「165」ですから、単純計算でも「50%」削減。加えて、必要事項は及第点のクオリティできています。すなわち、問題はしっかりと精選されているということですね!
漢文早覚え速答法 パワーアップ版
「大ベストセラー」だが、業界随一の問題作…。使用時は要注意!
さて、今回は、田中雄二氏の『漢文早覚え速答法』をご紹介します。 ただ、こちらの本、正直言って「相当な大問題作」です…。 色々と個人的なご縁もあってあべ的に陰ながら大応援しているGakkenさんの、言わずと知れた大ベストセラーであることは紛れもない事実。 でも、私の信条である「公平公正」に書評をするならば、国語の専門家として、本書は「駄作」と言う他ありません。 実に悲しいことですが、以下に、その理由を示していきたいと思います。 1.極端かつ古すぎる「使えない情報」の数々 本書を「良し」とできない理由は、何よりも上述の表題に集約されます。 とにかく、「情報提供の仕方が極端」なのです。「『全部否定』は入試に出ない」とか、「『のみ』と読む漢字→『耳』『而已』(他の漢字は入試に出ない)」とか…。 そして、その弊害が、2019年度のセンター試験でも明確に表れてしまっているのです。 田中氏は、「『何』が単独で出ていたら『何をか』だけ」と断言し、「何ぞ」という単純すぎる疑問表現は、「入試には絶対に出題されない」と、まさに「断言」しています。 ところが、2019年度のセンター試験では、この「何ぞ」を使った疑問表現が設問に取り上げられているのです。(第4問・問2) それ以外にもいくつも反例を用意して、上述の命題をエビデンスを持って退ける用意はあるのですが、さて、この事実を一体どのように説明すればいいのでしょうか…? 2014年のパワーアップ版初版では、「文部省の検定教科書はこの『何ぞ』の一語で疑問表現を表す表現を注意深く避けている」(ちなみに2019年7月11月の第11刷では、辛うじて「文科省」に切り替わっていたのが、わずかばかりの救いでしょうか…苦笑)と書いていました。 しかし、文部科学省との関係を言い出したらキリがない、独立行政法人大学入試センターが作成した「センター試験」において出題歴があるということは、上述も、何ら根拠に乏しいものだと言う他ありません。 こうした、同業者から見て「ありえない」と言わざるを得ないような、そして、敢えて読者の皆さんのことを考えて言葉を選ばずに申し上げるのであれば、「妄言」・「虚言」としか言いようがないような内容が平然と列記され、さらに、それがあたかも「受験生の常識」とでも言われるような形で、全国各地の書店さんで平積みされて、広く流布され続けていることが、私(あべ)としては悲しくてなりません…。 「パワーアップ版」と銘打つのであれば、まさに内容をパワーアップして欲しいと切に思います…! ただ、本書に関しては、初版→改訂版→パワーアップ版と全てを見比べていっても、内容がほとんどブラッシュアップされておらず、誤植に関しても全然修正されないものもたくさんありました。 すなわち、書籍としてのレイアウトなどは全面改修されましたが、最も大切な内容面に関しては、「文部省」を「文科省」と打ち換えるくらいの「表面的改訂」しかなされていないのです。 これでは最新の入試傾向に全く対応できていません。漢文にも出題傾向はありますし、それを踏まえないと、まさに本書のような「有名無実な学参」になってしまいます。 それでは、少し話を「極端さ」に戻して…。 確かに、東大出身の有名(?)漢文講師の田中氏が、絶対なる自信を持って「極端」に漢文の出題傾向を断言する。その「極端」であることが本書のウケる点ではある訳ですよね。人間だれしも「これだけでいい」と言われれば「ラク」ですからね! でも、本当に受験生のことを考えるならば、「教えるべき内容はきちんと教える」という執筆態度でもって紙面構成を行うべきです。現状のままでは、「本書を信じた受験生が悲劇に見舞われる」という事態は必至…。あべの周りでも、そういう声は今までたくさん頂戴しています。 たとえ、国語にかける時間のない国公立理系志望者と言えども、本書は勧められませんね…。 ただ、ここ3・4年で、漢文学参の良書はみるみる減ってきています。これは危機的状況と言わざるを得ませんね…。(そのため、自身でもこっそりと原稿を準備中です。) 2.せめて学習時は知識の確認用に!一冊目での利用は避けて。 さて、前段の「1」の内容は、特に「漢文の初学者向け」の注意喚起だったのですが、敢えて言えば、「漢文の全体像はなんとなくつかめており、ざっくりとポイントを確認したい」という方であれば、本書は一読の価値はあるかと思います。 ただし、「極端な内容」であることを承服したうえで、「話半分に聞き流す」という「リテラシー」ある姿勢が大切ですよ!
記述の手順がわかって書ける!現代文記述問題の解き方
「記述現代文 入門書」の決定版!現代文の記述対策ならコレ!
この本は、志望校のレベルを問わず、記述現代文の必要な全受験生が最初に取り組むべき、圧巻の出来を誇る、演習中心の「記述現代文 入門参考書(兼問題集)」です。 また、「大学入学共通テスト」に向けて記述現代文の需要は今まで以上に高まっています。高校1・2年生の皆さんも必見ですよ! 1.使用対象者 ・本格記述現代文が必要な全受験生(地方国公立下位レベル~旧帝大最難関レベル) ・共通テストに向けて記述現代文の基本を学習したい高校1・2年生 2.特徴紹介 ① “シンプルかつ合理的”な解法 筆者(あべ)はこんな記述現代文対策の参考書が出ることを心待ちにしていました! 出版から日の浅い本書ですが、お世辞抜きで、「記述現代文の入門書ならこれ!」と言い切れるような“素晴らしい一冊”に仕上がっていると思います。 その理由はなによりも、“汎用性が高くて単純明快な解法”に基づいて解説が行われていること! この本では、現代文記述問題を「言い換え(=内容説明)問題」と「理由説明問題」の2パターンに大別。両者への対応法を“シンプルかつ合理的”に説明してくれています。 ここで特に大切なのが、“シンプル”という点! いくら良いことがたくさん書いてある参考書でも、その内容が複雑すぎて、自分自身では上手く使いこなせないことがあるんですよね…。 具体的に言うと、「あらゆるパターンを網羅して解法を示してくれているが、細分化されすぎて覚えきれない!」などという場合です。 一方、この本では、「レベルを問わず実践でき、ビジュアルで捉えやすい単純明快な解法」を“わずか2つ”のパターンに集約して解説してくれています。 さらに、その2パターンの解法は、最近の参考書に多い「重要事項も含めて内容を切り詰め、ムリヤリ単純化している」ということがありません。 しっかりと記述現代文の出題傾向の核心を捉えた、“スマートで合理的な必要十分の解法”です。 そのため、まずは本書を信じて、現代文の記述対策を進めるといいでしょう!※【注】 ② 学習効果が緻密に計算された問題の配列 また、本書の問題文の配置に関しては、「短めで読み取り易いものから長めで内容が(やや)複雑なもの」へと、明確な編集意図をもって配置されています。 さらに、その本文は、「学習効果が高まるように筆者自身が問題文を執筆している」ものもある力の入れようなのです。 「きちんとした目的意識を持って、参考書全体がデザインされている」のが美点ですね。 ③ “見てわかりやすい”図解的な本文(設問)解説 加えて、こちらの参考書では、解説部分にも工夫が凝らされています。その一つ目が、「ビジュアル面も重視した本文(設問)解説」です。 まずは、ビジュアル重視で見てわかりやすい、「図解的な本文(設問)解説」が良いですね。 本文全体を再掲し、「波線」や「矢印」を用いて、傍線部と本文の論理的な対応関係をわかりやすく紹介してくれています。 上述のように、著者は本書のために“オリジナル本文”を書きおろす力の入れようであり、これは「本文のレベルを調整し、解法の理解・定着に最適な作問を行う」ことを目的に行われていると筆者(あべ)は考えています。 ついては、「現代文読解の基礎」を学習していれば、本文全体の解説はシンプルでも十分に内容を理解し、効果的な学習を行えるでしょう! ④ 「読んで終わり」ではない、復習まで配慮された“身になる”解説 そして、二つ目の解説部分の特徴が、「既習の設問解説を踏まえて、設問に再トライできる“解き直しシステム”」です。 現代文では、解答後に「解説を読んで終わり」という学習者も多いですが、この本では解説の途中に、つい先ほど読んだ解説事項を踏まえて、改めて自分で解答を書いてみるというシステムが採用されています。 これは、対面授業では時間的都合上なかなか実現しにくいものの、実に学習効果が高く、「参考書ならでは」の学習法として非常に画期的な仕掛けだと思います! 「その場限りではない、次につながる普遍的な学習」が何よりも大切なので、それが実現されている点で本書はやはり素晴らしいですね。 ~皆さん! 『現代文記述問題の解き方!』を使って、記述現代文の学習をはじめましょう!!~ 【注】 いくら本書が「入門」と言っても、「現代文読解の基礎」が出来ていないと、記述現代文対策の基礎は身に付きません。 必ず「現代文読解の基礎」を習得の上、この『現代文記述問題の解き方!』に取り組みましょう!
国公立標準問題集 CanPass 現代文
良質な問題に的確な解説!さらに本自体が使いやすい!!
この問題集は、志望校のレベルを問わず、記述現代文が必要な全受験生が取り組むべき、完成度が高い問題集です。 1.使用対象者 本格記述現代文が必要な全受験生(地方国公立下位レベル~旧帝大最難関レベル) 2.特徴紹介 ①良問ぞろいの問題構成 こちらは、“評論12+随筆3+小説5=計20題”という問題数で構成されており、力がつきそうな選りすぐりの良問ばかりを採録。練習量もしっかり確保できます。 なお、類書と比べて最多の問題数を随筆・小説に割いているため、志望校で小説問題が頻出される場合は良いと思います。 ただし、志望校が評論中心の出題でも、随筆と小説の演習を積むことは必ず良い方向に活きてくるので、こちらの問題集は良いと思います。 ②簡潔だが必要十分な問題解説 解説スタイルは、基本的に文章を重ねて説明する「文章型」が多く、設問解説では、「ビジュアル型」の図式的な解説も部分的に採用されています。 ただし、それ故にこそ、解説は「簡潔」であることが心掛けられているのです。 「ダラダラと長文を読まされる」という印象が生じぬよう工夫され、加えて、ただ「短い」だけではなく、「簡潔な上にわかりやすく疑問点が残りにくい」という“必要十分さ”を追究した解説になっています。 ここに“プロフェッショナルの仕事”を感じますね! そして、「記述現代文解法」が解説の随所で紹介されていくのも特徴です。「参考書」で学んだ理論の復習・確認が出来るので、「この問題だけ」にとどまらない「いつでも使える普遍的な力」を身につけることが出来ます。 ただし、必ず事前に記述現代文用の「参考書」をしっかりと学習してからこの『CanPass 現代文』を使用してくださいね。 具体的には、 ・浦貴邑・中崎学(ともに河合塾)著『記述の手順がわかって書ける!現代文記述問題の解き方―「二つの図式」と「四つの定理」』(河合出版) との併用が良いでしょう。(※理由は上記の参考書のレビューにて詳しく紹介します。) ③書籍としての使いやすさ この問題集は、問題編(別冊①)、解説(本冊)、解答用紙(別冊②)という構成になっており、記述現代文を「自学自習」する人への配慮にあふれているのが美点です。 特に、「解答用紙」に記入したものを自分でスムーズに採点=「自己採点」できるのが嬉しい! 解答用紙を意識して解答を作ることの大切さ・難しさを実体験できます。そして、自身の書いた解答を、「模擬採点例」とその根拠を参照しながら、詳しく丁寧な採点基準や配点をもとに自ら採点できるのです。 まさに、自習しやすさにこだわった素晴らしい良書ですね。 ~受験生の皆さん、ぜひ『CanPass 現代文』で志望校合格を勝ち取って下さい。~
望月光の古文単語333
“語源・語根”を意識しつつ、各単語の意味の派生を秀逸に解説!
学参研究家の筆者としては、この『望月光の古文単語333 (超基礎がため)』が、古文単語集部門第一位。旺文社さんはHPでは公式に謳っていませんが、人気の「教室シリーズ」の中でも注目の『望月光の古文教室 古典文法編 改訂版』の姉妹本です。 1.概要 この単語集の最大の特徴は、「語句解説における意味派生の説明が秀逸で、ストーリーに無理がなくて腑に落ちやすい」こと。見出し語として“333語”とまずまずの語数を収録しながらも、一つ一つの語句解説が非常に丁寧で、紙面における説明の割合が類書に比しても高いです。 2.古文単語集選定の基本方針 古文単語の学習では、 ・「語源・語根」を意識して単語そのものの「コアな意味」をつかみ、それがいかに派生した(と考えられる)のかという“ストーリー”を理解する。 ことが大切です。 つまり、「かなし=かわいい・いとしい」などと機械的に覚えるだけではダメということ。「語源・語根」を意識して、丁寧に語句解説がしてある単語集こそ利用価値が高いのです。 そして、そのポイントを押さえた上で“選ばれし良書”になるためには、 ・いかに意味派生の過程をわかりやすく=覚えやすく説明しているか と言うことが大切です。 この「意味派生の過程」を筆者は“ストーリー”と読んでいるのですが、望月先生はこの描き方がため息が出るほどお上手なのですよね…。同業者として、あべは足元にも及びません。(望月先生と比べるのが恐れ多いですが…。) 3.類書の現状 類書では、 同じように“語源・語根からの意味派生”を説明していても、古語辞典に見られるような硬派で(一見)学術的な過程説明が多いです。 執筆態度としては、それ自体はもちろん素晴らしいのです。しかし、有名古語といえども日本語学・国語学の分野ではまだまだ未解明な部分が多いのが実情なんですよね。 それゆえに、論理的に未整備な部分も多くて、硬派でもっともらしい説明をしていても、「この説明本当かなあ?」と疑ってしまうものや「この説明では、派生にあたっての意味の乖離が激しすぎて、効果的に覚えられないよ…」と思うものも散見されます。 これが、歴代の受験生を結果的に「古文単語=とにかく意味を丸暗記するしかない」という思考回路に陥らせる原因になっていたと筆者(あべ)は考えているのです。 4.本書の特徴①―覚えやすい意味派生の「ストーリー」 そんな中、望月先生は、自身の有する高い国語学の学術的蓄積を考慮しながらも、そこに縛られすぎない、“あえて大胆に”受験生ファーストの思想で貫徹された「ストーリー」で語句解説を行っています。学習者の日常に寄り添った説明などを多分に盛り込み、身近な出来事から楽しみながら学んでいけるので、類書に比べても覚えやすくなっているんですよね。 5.本書の特徴②―意味用法の掲載数・掲載法への行き届いた配慮 その上で、意味派生の「ストーリー」については、採用する意味用法を絞りすぎることなく、幅をもたせて「過不足ない」いい塩梅で掲載。意味用法の選定では、巨匠望月の技が光っています。 さらには、それらの意味用法の一部に限って(赤シートで隠せるように)赤字にするのではなく、全ての用法を赤字掲載してくれているので、「赤字の用法だけ覚えたけど全然古文が読めない」という学習者が発生することを防いでくれる、より良い効果が期待できますね! その上さらに、「漫然とすべての意味を覚えさせる」のではなく、それぞれの赤字の訳の隣に「1と2を優先して覚えて、3・4は後回し」とか「2の意味がよく出る」などといったように、「その中でより大切な意味はどれなのか」や「どう学習を進めるべきか」ということがよく分かる記述になっているのだから、驚くほどに学習者ファーストが貫かれています! 6.使用上の注意点 ただし、「派生語」の掲載が少ないので、センターにせよ国公立二次にせよ、これ一冊で臨むことは筆者(あべ)は推薦しません。 題名に「超基礎がため」とうたっているところや書籍の解説に鑑みて、旺文社さんも望月先生も次に別の単語集を利用してくれることを意図しているのではないでしょうか? 7.次のステップを目指して こちらの単語集の使用後に関しては、時間の余裕を見つつ、二冊目の単語集に取り組みたいところです。 もう少し詳しく言えば、次の一冊では、 ・見出し語の語数がもとから確保されたものに取り組む のがgoodですね! 具体的には、 ・富井健二(東進)著『古文単語FORMULA600【改訂版】』(東進ブックス) 等が良いでしょう。(より詳しい話は、また上記の書籍等のレビューにてご説明しますね。)
大学入学共通テスト 英語が1冊でしっかりわかる本
関先生らしい安定の一冊。 共通テスト英語対策の現状の最適解。
さて、各社からだんだんと共通テスト対策参考書が出てまいりましたね! 今日は、いち早く、カリスマ英語講師の関先生が執筆された『共通テスト 英語が一冊でしっかりわかる本』をざっくりとレビューをしていましょう。 まずは、本書からは少し離れますが、かんき出版の大学受験向けの学参が増えていることが最近気になっていること。 やはり、『英単語の語源図鑑』の爆発的ヒットで、会社側にもさまざま書籍を出版する余裕があるんですかね? 共通テストに関しては、他社に先駆けて、関先生や兵頭先生などの超のつくような一流執筆者を取り揃えて全教科のシリーズものとして展開予定の模様ですから、注目ですよ! 1.関先生の“いつも”のパターン さて、本書に関してですが、内容的には「関先生らしい共通テスト向けの入門参考書」という感じですね。様々な意味で「安定」の一冊です。 まず、リーディングについて言えば、関先生は、小手先のテクニックを嫌い、とにかく「きちんと一文一文を読む」ということを長文読解のメインに据えられており、本書もそれを踏襲しています。 さらには、「文法・語法」の知識の重要性を何度もおっしゃっており、「基礎を大切に」という関先生の姿勢が貫徹された一冊です。 その意味では、「とてもオーソドックス」な一冊であり、目新しさはありません。「本格派」の読解系参考書と言う意味では、それが売りであるともいえるわけですね。 また、リスニングについても同じ。「文法・語法」の知識に基づいて、「全体をきちんと聞き取る」という「本格的なリスニング力」を前提とした説明が行われています。 2.効率的な情報処理を意識した出題パターン別の解答法 「1」の一方で、リーディングもリスニングも共に、具体的に共通テストの問題に対応するにあたって、出題パターンごとに対応法を明記してくれており、その意味で、学習価値は十二分にありますね! 「限られた時間を有効活用して、最短経路で確実に解を導く」ための解法を紹介し、それを具体的なプレテストの問題で実演解説することで、「自分が何をすべきか」が明確にわかります。 ただし、テストの解答率を目覚ましく上昇させてくれるような「魔法のアイテム」ではなく、結局は、至ってシンプルな全問題に共通するような解法ばかりです。 そのため、「本書をもとに、具体的に読解・リスニング練習を積みましょう!」という姿勢の、まさに共通テストの英語の入門的一冊ですね。 現在ごく少数しかない共通テスト向け参考書では、英語部門として相対的に信頼できる一冊です! 3.利用価値の高い 「今後の対策」 パート さて、本書の特長ですが、各出題パターンの解説の後についてくる「今後の対策」のパートはとても秀逸です。 今後の学習の中で集中的に覚えるべき表現が、相当な網羅性で記載されており、これらを確実に覚えていけば、必ずや力がつくことでしょう。 ただ、「分量が相当多い」ことと、「丸暗記調の羅列」になっていることは正直残念です。 もちろん紙幅の限りがありますし、この「追加資料」的な本部分の解説に時間を費やしていては本末転倒なのですが、「脱暗記」の関先生をもってすれば、ところどころで余白に説明を付随する等、もう少し工夫が欲しかったと思います。 うーむ、改訂版に期待ですね…! 4.良質!英語力そのものを高める 「英語の核心」 パート 最後に、「さすが関先生!」というべきなのは、随所に出てくる「英語の核心」パートに見られる、英語力そのものを高めてくれるような、キレ味バツグンのわかりやすい解説です。 関先生の別の著書に見られるような、文法や語法等の様々な基本知識の解説が要所要所にちりばめられており、「関イズム」をしっかり感じる一冊になっています。 ここも当然、本書の美点になりますね! ~「今すぐ共通テストの英語対策をはじめたい!」という方は、本レビューを参考に、まずは本書の使用をご検討されてはいかがでしょうか?~