「大学入試に小論文を使うと決まったけど、何をして良いかわからない」「問題を解いてみたけどいまいち答案の出来に手応えがない…」「テーマへの理解が浅くて自分の意見が書けない…」――小論文入試の対策は他教科と勝手がやや異なり、学校の授業でカバーできないことも多いですが、どんな対策をすれば良いのか迷ったり、対策をする中で課題にぶつかったりした時、頼りになるのが参考書です。
本記事では、大学入試の小論文対策におすすめの参考書を、使う目的別に5冊紹介。お悩みや今の課題にあわせて、自分の受験戦略に応じた小論文対策の「友」となる参考書を選んでください!
※この記事は2023年9月に書かれた内容を一部最新の情報にリライトして投稿したものです
1. 小論文対策のキホン
入試に小論文を使うことを考え始めたら、まずは受験する大学・学部でどのような問題形式が出題されるか確認しましょう。志望校の問題形式がわかったら、対策スタートです。
小論文の問題を解くには、次の3つの力が必要です。
〈課題文がある問題の場合〉
1)文章を読み解く力
〈自分の考えを述べる問題の場合〉
2)社会問題や現代思想など小論文に出題されるテーマについての知識
3)それらに対する自分の意見を論理的に述べる力
これらの力をつけるために、この記事で紹介する参考書などを使って訓練しましょう。
実際に問題を解いた時には、可能な限り学校の先生などに添削してもらうことを忘れずに。改善点や反省点を明確にした上で書き直すなどして、解きっぱなしにしないことが重要です。
*こちらのインタビュー記事では、河合塾人気講師で『短期完成 受かる11メソッド 小論文の書き方』シリーズの著者・大田裕二先生に、小論文の入試対策についてお話をうかがいました。
>>【小論文】河合塾講師・大田裕二先生に聞く!大学入試の小論文対策とおすすめ参考書
小論文で求められる力や、自分の意見を持つために何をすれば良いかについて詳しく聞いているので、本記事とあわせてぜひご一読ください。
2. 目的別!小論文対策のおすすめ参考書
2-1. 小論文とはどんなものなのか知りたい!
『2024年 受験対策 全国大学 小論文入試 出題内容5ヵ年ダイジェスト』(旺文社)
入試に小論文を使うことを考え始めたら、まず手に取ってほしい最初の1冊。小論文を入試で使うか迷っている、使うと決めた段階の人におすすめです。
一般選抜で小論文を課す国公立125大学と私立42大学の5年分の過去問が収録されており、志望校・学部ごとの出題傾向がわかります。志望する学部と同じ学部系統の過去問もチェックできるので、出題傾向をより深く理解できるでしょう。
小論文の書き方ガイドや重要テーマ・キーワード、注目すべきニュースなど、小論文対策全般に役立つ情報も載っているため、最初の参考書にぴったりです。
2-2. 答案の正しい書き方を知りたい!
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『改訂版 何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55』(KADOKAWA/中経出版)
問題演習を始める前に読んでおきたい1冊。どんな解答が求められているのか、どんな思考で書けば高得点をもらえるのか、わかりやすく説明されています。
「小論文ってどうやって書くの?」「何を書けば点数をもらえて、何を書くとマイナス評価になるの?」など、小論文対策で必ずぶつかる疑問を解消してくれます。解説では「ガッカリ答案」「スッキリ答案」「モヤモヤ答案」といった例が具体的に示されているので、読み進めながら点が取れる小論文のイメージを膨らませていきましょう。
文章がカジュアルで読みやすいのもポイント。問題を解く時、そばに置いておくと便利です。
2-3. 対策に必要な知識を身につけたい!
『読むだけ小論文 基礎編 パワーアップ版』(学研プラス)
小論文対策のロングセラーが近年の出題傾向に合わせて改訂された、知識のインプットに使える1冊。頻出テーマへの知識が不十分な人や、自分の意見が思いつかない人におすすめです。
「グローバル化」「AI」など、最新の頻出テーマがわかりやすく解説されています。各テーマの大切な着眼点・ポイントが紹介されているため、そのテーマに関する事実だけでなく、現在やこれからの状況、社会への影響、問題点など多角的に理解できるのがポイントです。
「小論文を書く時に知識不足で何も思いつかない」「テーマについてよく知らない」といった状況に陥るケースを減らすことができ、自分の意見を持つ訓練にも役立ちます。
2-4. 実際に出そうな問題でどんどん演習したい!
「受かる11メソッド 小論文の書き方」シリーズ(旺文社)
『短期完成 受かる11メソッド 小論文の書き方 基礎編』
『短期完成 受かる11メソッド 小論文の書き方 人文・教育・社会科学編』
『短期完成 受かる11メソッド 小論文の書き方 医療・看護編』
リアルな予想問題を通じて、小論文の書き方や頻出テーマを学べる1冊。実際の入試に出されそうな課題文を用いながら、合格する答案を書くために必要な11のメソッドを紹介。実践的に小論文を書く訓練ができます。
特に『人文・教育・社会科学編』『医療・看護編』では、その学部系統でよく出る課題文が選ばれており、演習の中で頻出テーマに触れることができます。
採点基準がわかりやすく示されているので、自己採点ができるのもポイント。自分の答案に何が足りていないのか把握できるので、先生に採点を頼みにくい人や、自分で採点してどんどん進めたい人におすすめです。
2-5. 大学・学部を絞ってもっと深く対策したい!
「小論文これだけ!」シリーズ(東洋経済新報社)
『小論文これだけ!経済・経営 超基礎編』
『小論文これだけ!法・政治・経済編』
『小論文これだけ!医療・看護編』
受験する具体的な大学や学部にフォーカスして対策したい人、該当の分野についてより深い知識を得たい人に使ってほしい1冊。その学部の受験に求められる力や、関連するテーマが詳しく解説されています。
例えば、『経済・経営 超基礎編』では9つのテーマに関する用語や、取り巻く問題を詳細に取り上げています。
これ以外にも「看護」「教育」「法・政治」「国際・地域・観光・社会・メディア」など多数のテーマで『超基礎編』『深堀編』などさまざまなラインナップがあります。志望する学部系統で自分に合った1冊を探してみてください。
3. まとめ
小論文の入試対策におすすめしたい参考書を、目的別に紹介しました。
小論文には学校の勉強だけでは不十分な知識や能力が必要になるので、参考書を使った対策が有効です。自分の課題を明確にしてそれに応じた参考書を選ぶことで、知識を増やしながら論述力をグンと伸ばしていけるでしょう。
ただし、どんな参考書を選んだ場合でも、問題演習後は解きっぱなしにせず復習し、答案の内容を吟味・推敲することが何より大切です。参考書や周りの先生たちにも頼りながら、小論文入試の攻略を目指してくださいね!