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大学生の時間割と授業のある1日の"リアルなスケジュール"を公開!【前編】

2024.10.03

大学に入学したら、どのような毎日が待っているのでしょうか?授業は高校の時とどう違うのでしょうか?
大学生活を夢見る受験生に向けて、それぞれ異なる大学・学部に通う現役大学生6名に聞いた、「時間割」と「授業のある1日のスケジュール」を紹介します。
授業の内容や休み時間の過ごし方、キャンパスの雰囲気などリアルな声がたくさん!大学入学後の充実したキャンパスライフのイメージを膨らませて、ぜひ受験勉強のモチベーションにしてくださいね。

★前編では早稲田大学の文学部とスポーツ科学部、東京大学の理学部に通う大学生の1日を紹介します。
*この記事の後編はこちら
>> 大学生の時間割と授業のある1日の”リアルなスケジュール”を公開!【後編】

1. 大学の時間割・授業の特徴

大学生は基本的に自分で時間割を作成します。
まず、履修要覧を見ながら、卒業までに取得しなくてはならない「必修科目」や、卒業に必要な単位数を把握します。必要単位を履修しなければ、進級や卒業ができなくなってしまうこともあります。高校生の時とは違って、単位が足りていないことを学校側が指摘してくれることはないので、自分で取得単位数を記録し、管理することが必要です。
必修科目に加えて、必要単位数以上になるよう自分が興味を持った授業をシラバス(講義の到達目標や講義内容が記されたプラン)を参考にしながら探し、時間割を組んでいきます。学年が上がるほど必修科目が少なくなることが多いため、どんどん時間割の組み方は自由になっていきます。
例えば時間割を組む際に、授業を全く入れない曜日を作ると、平日に授業がない「全休」の日を作ることができたり、授業を入れない時間「空きコマ」をつくれば、その時間を休憩時間にすることができたりします。大学の講義時間は、90分や105分と大学・学部によっても異なりますが、高校の授業時間よりは倍近く長いのも特徴です。
時間割の組み方は、慣れるまで少し難しく感じてしまうこともあるかもしれません。授業の組み合わせによって副専攻を取ることができたり、特定の授業を選択するには前段階にあたる授業を履修していないといけなかったり、条件がある場合もあります。先輩に話を聞いてみたり、この記事のような体験談を参考にしたり、色々な情報を調べつつ吟味してくださいね。

2. 「自分のペースで大学生活を満喫!」(K.K.さん/早稲田大学 文学部 社会学コース)

3年生前期の時間割を紹介します。

  オンデ
マンド
1限           福祉国家の歴史
2限 社会階層論の基礎 エスニシティ・ナショナリズム論 卒論指導 経済史入門   グローバル化の社会分析
3限     社会調査の
歴史社会学
    日本民俗学
4限 社会学演習(ゼミ)     エネルギー
産業と社会
  人文地理学
5限 社会学演習(ゼミ)          


他学部が設置している授業(経済史入門・政治経済学部、福祉国家の歴史・教育学部)も履修。朝が苦手なので、3年生に進級して必修科目が減り、時間割が柔軟に組めるようになってからは1限に授業を入れないようにしています。

●1日のスケジュール
月曜日のスケジュールを紹介します。
朝はコーヒーとパンで朝ごはんを済ませて、通勤ラッシュを避けて2限から登校。
・2限 社会階層論の基礎
所属コースの授業を受けます。早稲田大学文学部は2年生に進級する時に18のコースに分かれて、2年生以降は所属コースで専門的に勉強をします。
私は社会学コースに所属しているので、「格差」についての授業を受けます。授業中はパソコンでノートをとって、講義を受けて自分で考えたことを書き留めておくことを意識しています。
・お昼休み
大学の生協でお弁当を買って、友だちと中庭で食べることが多いです。次の時間が空きコマなので、友達と予定を合わせて、大学周辺のうどん屋さんや油そば屋さんに足を伸ばすことも。
・3限 空きコマ
図書館で課題を進めたり、大学の中庭で本を読んだりして過ごします。
・4-5限 社会学演習
必修のゼミに出席します。ゼミでは、社会学的な視点から日本の石炭産業について勉強しています。私は労働者の生活や職業移動について興味があったので、このゼミに所属しました。
ゼミでは、教授や講師から石炭産業について専門的な講義を受けたり、自分で文献をまとめて発表したりしています。

●大学が終わってからの過ごし方
・友達と遊ぶ
放課後は大学の友達とご飯を食べに行くことがあります。大学周辺に学生向けの飲食店が多いので、お気に入りのお店で食事とおしゃべりを楽しみます。
・図書館で読書
満員電車が苦手なので、図書館で課題文献や趣味の小説を読んで、帰宅時間を退勤ラッシュからずらします。
・23時ごろ帰宅し、お風呂に入って就寝

~キャンパスこぼれ話~
・一人暮らしをしているので毎朝寝坊しないように気を付けています。(一人暮らししている他の友達も、試験期間中親にモーニングコールを頼むなど、朝寝坊を予防するためにさまざまな工夫をしているみたいです)
・必修科目と興味のある授業を数コマずつとっています。
・キャンパスのベンチで本を読むことが好きです。

3. 「レポート作成にPCを活用!」(I.T.さん/東京大学 理学部 物理学科)

3年生前期の時間割を紹介します。

 

1限

  応用数学 現代実験物理学   代数学
2限 電磁気学 量子力学 計算機実験 流体力学 統計力学
3限 物理学実験 物理学演習 物理学実験 物理学実験 物理学演習
4限 物理学実験 物理学演習 物理学実験 物理学実験 物理学演習
5限 物理学実験   物理学実験 物理学実験  

私の学科はほとんど同じ教室で受講するので、教室移動がなく楽です。「電磁気学」「量子力学」といった物理の基礎科目の授業だけでなく、数学の知識を学ぶ「応用数学」「代数学」の授業も履修しました。
「物理学演習」では課題の発表者を立候補で決め、発表者が課題の解答と背景知識をまとめた資料を作成します。刺激を受けることもあり楽しい授業です。
「物理学実験」では1学期に5つのテーマの実験があり、1つのテーマを1週間かけて実験しレポートを作成します。大体2、3週間に1週実験をする週があるイメージです。

●1日のスケジュール
火曜日のスケジュールを紹介します。
1限がある日は7時起床。一人暮らしなので朝食は自分で用意します。(たまに時間のとれない日も…)
自宅から最寄り駅まで徒歩、駅から大学の講義棟まで距離があり、通学にかかる時間は合計で片道30分程です。
・1限 現代実験物理学
後述する「物理学実験」の授業に関する背景知識を勉強します。顕微鏡や真空技術について、実験の歴史的背景、物理学的原理、実験装置などさまざまな観点からの話を聞くことができます。
成績評価も前半と後半の2回のレポートでおこなわれ試験がないので、肩の力を抜いて受講していました。
・2限 計算機実験
C言語やPythonなどのプログラミング言語を学習する授業です。講義と実習に分かれ、講義ではプログラミングで有用な計算方法について学習し、実習では与えられたレポート課題をTAさん(ティーチングアシスタント:大学院生などの授業を手助けしてくれる方)に教えてもらいながら解いていきます。
・お昼休み
友人と学食に行きます。カレーがお気に入りです。時間がない場合は購買部でパンやおにぎりを買って1人で食べることも。
・3-5限 物理学実験
午後は実験の授業です。実験をスムーズに進めるために予習をしておき、分からないことがあればTAさんと一緒に考えます。たいていの場合予定より早く終わるのですが、一度だけ19時半まで実験していたことがあります。
実験の予習は丁寧にやるほどその後が楽になるので、最初の頃は家で時間をかけてやっていましたが、直前の昼休みにテキストを見ておくだけで実験に臨んだ時もありました。
実験が終わってからレポートを完成させるのが大変で、実験データを解析してグラフにまとめ、いくつかの文献を参考にして考察を書くところまでやる必要があります。

●大学が終わってからの過ごし方
サークルは自由参加なので、時間の余裕がある時に行きます。サークル活動の時間は18時~20時で、家につくのは21時ごろ。帰宅してからは、音楽を聞きながらレポート作成を少し進めて就寝することが多いです。

~キャンパスこぼれ話~
物理学科では、レポート作成の時ほとんどの生徒がTEX(数式を綺麗に出力できる文書整形システム)を使います。実験のデータ解析やグラフ作成では私はPythonを使っていました。PCを使う機会が多くなり、たくさんのスキルが身についたと感じます!
Pythonでプログラミングをしたり、論文を探したりする際にいくつかの生成AIを利用しました。使い方に注意すれば、勉強をサポートするツールとしてさまざまな作業を簡略化してくれます。前提として生成AIの利用については大学ごとのガイドラインや担当教員が決めたルールがあると思いますので、まずはそちらを確認しましょう。

4. 「勉強とサークルを両立!」(K.S.さん/早稲田大学 スポーツ科学部 トレーナーコース)

2年生前期の時間割を紹介します。

  オンデ
マンド
1限   トレーナー基礎演習       救急処置法
2限 スポーツ栄養学 スポーツ医学(内科) コンディショニングデザイン論     基礎解剖学
3限 スポーツ栄養学 救急処置実習 スポーツ教養演習      
4限   コンディショニング実習   レジスタンストレーニング    
5限 スポーツ組織論          

●1日のスケジュール
火曜日のスケジュールを紹介します。
1限がある日は5時起床、6時30分に家を出ます。キャンパスまでは1時間40分――キャンパスの立地だけが懸念点…。
朝食はコンビニでパンを買い、キャンパスに着いてから1限開始前に食べています。
・1限 トレーナー基礎演習
所属コースごとの必修授業です。各コースに教授が7,8人ほどいて、毎週教授の研究や体験談を聞きます。とても興味深く、ゼミ選択に役立つ授業になっています。
・2限 スポーツ医学(内科)
アンチドーピングや免疫などアスリートに関わる内科の知識が得られます。講義授業でグループワークや個人ワークもなく、ひたすらパソコンでノートをとっています。最終回の授業でオンラインでのテストが実施されます。
・お昼休み
1年次は毎日学食に行っていました。美味しいし温かいし種類豊富だし…。ただ、2年生になりかかるお金が増えたので、節約するためにお弁当を持って行って、友達と教室で食べています。学食が恋しいです。
・3限 救急処置法実習
怪我の応急処置や倒れて意識のない人の搬送までの救急処置などを実習で学びます。この授業の単位を取ることでLife Supporting First Aid という応急手当の認定資格を取得できます。
・4限 コンディショニング実習
アスリートの正しい体の使い方やトレーニングの仕方を学び、パフォーマンス向上や傷害予防につなげます。今まで誰しもがおこなっていたトレーニング方法が間違っていたり、その場で成長を感じられたりと、スポーツをしている人もしていない人も興味深く楽しみながら取り組めます。

●大学が終わってからの過ごし方
・サークル
競技チアリーディングサークルに所属しています。週4~5日17:00~22:00(日曜日は 8:00~17:00)、一応サークル枠ですが、活動は全て参加必須であり部活動よりもハードです。次の日が1限だとかなり体力が奪われます。
・アルバイト
サークルがない日はアルバイトを入れています。遊びたいですが、サークルの練習がない日にアルバイトを入れなければ生きていけません…!
・お休み
バイトのシフト希望を出したけれど勤務時間が入らなかった日が、私のオフになります。サークルもバイトもない日は月に2日あれば多い方です。

~キャンパスこぼれ話~
・最寄り駅からバスで20分という立地の悪さ、キャンパス内には学食とコンビニしかなく、キャンパスの周りは「森」です。ただ、曜日替わりでキッチンカーがたくさん来ます。今日は何のキッチンカーかな~とワクワクしながら、その日のお昼ご飯を決めている人もいます。
・キャンパスにはスポーツ科学部と人間科学部の学生がいます。スポーツ科学部のほとんどが部活動に所属していて、授業で体育や実習があるため、ジャージ登校の人が多いです。そのため、朝からおしゃれしたりメイクしたりしなくても浮かないのが良いところ。私もジャージやスウェットで毎日登校しています。
・キャンパスを建てたデザイナーがテーマを「迷路」にしたらしく、その名の通り迷路です。本当に迷子になります。1年生の初回授業は大体迷子になるので早めに探し始めるか、周りにいる先輩に声をかけるのが解決法です。キャンパスの壁に地図が書いてありますが、それを見てもたどり着くのは困難です。

5. まとめ

現役大学生の「時間割」と「授業のある1日のスケジュール」を紹介しました。
大学生になると、勉強に集中したりサークル・アルバイトに時間をかけたり、時間の過ごし方の選択肢が一気に広がると思います。高校でやってきたことを続けるもよし、新しいことを続けるもよし、自分のやりたいことに打ち込みましょう!
ぜひキャンパスライフの想像を膨らませて、受験勉強を頑張るモチベーションにしてくださいね!

――記事の後編はこちらから。
>> 大学生の時間割と授業のある1日の”リアルなスケジュール”を公開!【後編】

StudiCoサポーター K.K. I.T. K.S.
K.K. : 早稲田大学 文学部 合格 I.T. : 東京大学 理科一類 合格 K.S. : 早稲田大学 スポーツ科学部 合格