受験生に人気が高い上智大学。「この大学に入りたい!」と思ったら、まずは志望大学について深く知り、具体的な志望理由を形にすることが大切です。
上智大学志望の受験生に向け、推薦入試で入学を決めた現役上智生が、上智大学の魅力や「アドミッションポリシー」を紹介。推薦入試に必要な「志望理由書」の作成に悩んでいる、春から上智大学で勉強したいといった受験生は、ぜひ参考にしてみてください!
(StudiCoサポーター M.O. / 上智大学)
この記事は2022年10月に書かれた内容を一部最新の情報にリライトして投稿したものです
1. 上智大学の基本情報
1-1. 上智大学の規模と特徴
上智大学は東京都新宿区の四ツ谷に位置し、東京駅や渋谷まで10分、新宿まで5分と交通の便もよく、最寄りの四ツ谷駅からは徒歩3分ほどで大学構内に着くことができます。大学周辺はオフィス街であるため静かで落ち着いており、勉学に適した地域にある大学といえるでしょう。
また、上智大学は1つのキャンパスに看護学部以外全ての学部がそろっています。教養科目などの全学共通授業の受講や学内活動において、文理を問わずさまざまな観点を持った学生に出会うことができるので、多様な価値観の形成がしやすいといえるでしょう。
大学図書館は、平日は朝8時から22時まで開館しています。たくさんの専門書を始め、日本全国そして海外の新聞と雑誌がそろっているので、日々の学習や研究へ有効に活用することができます。
1-2. 上智大学の学部
大学の学生の規模は12,000人ほどで、1つの学部に平均1,500人程度在籍しています。
文学部、神学部、外国語学部、総合人間科学部、国際教養学部、総合グローバル学部、法学部、経済学部、理工学部があります。
上智大学の中でも特殊な学部・学科としては、神学部と国際教養学部、法学部の地球環境法学科、文学部の新聞学科が挙げられるでしょう。
神学部は学生数が200人程度と少なく、日本で唯一のカトリック神学部であるレアな学部です。
国際教養学部は全ての授業が英語でおこなわれているので、留学生や帰国子女が多く在籍しています。海外からの交換留学生のほとんどはこの学部に在籍し、日本人大学生と一緒に学んでいます。
法学部の地球環境法学科は、日本で唯一、法律を環境の観点から学ぶことができる学科です。
文学部の新聞学科にはテレビセンターがあり、メディアを学びたい人に格好の学習機会が用意されています。
1-3. 早稲田・慶應との違い
「早慶上智」という呼び方があるように、早稲田大学・慶應義塾大学と一括りに表現されることの多い上智大学。上智大学と、早稲田・慶應との違いはどういったところにあるのでしょうか。上智大学にしかない特色をいくつか紹介します
(1)幅広いグローバル人材育成教育
上智大学は学生の数に対して留学枠が多いのが特徴です。上智大学は学生数が12,000人程度、早稲田大学は38,000人程度、慶應義塾大学は29,000人程度ですが、交換留学提携校数は3大学とも同程度のため、上智大学には比較的留学のチャンスが多いといえるでしょう。
また、外国語の運用能力を高めるための語学留学だけではなく、海外研修として「国際連合見学ツアー」「アフリカや東ティモールのスタディーツアー」といった学術知見の向上を目的とした留学制度も整っています。
大学を東西に横切るメインストリートを歩いていると、自然と外国語が聞こえてきます。英語で専門科目を学ぶ授業も多く開講されているので、「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学びたい」人も学習意欲を満たすことができるでしょう。
ハラルフードに特化した学食カフェがあったり、全ての食堂でビーガンフードが提供されていたりなど、多様性が認められた校風です。
(2)付属高校がない
早稲田大学にも慶應義塾大学にも付属の高校があり、一定数の内部進学生がいますが、上智大学には付属高校がありません。大学からの新しいコミュニティーを形成しやすいといえるのではないでしょうか。
2. 上智大学の入試方式
上智大学の入試方式は多岐にわたっています。
一般入試と特別入学試験に分けて、上智の入試方式の特徴を紹介します。
なお、以下は2024年度入試の情報です。入試方式は毎年変わっているので、詳しくは必ず大学のホームページを確認するようにしてください。
2-1. 上智大学の一般入試
上智大学の一般入試は以下3つの方式で実施されています。
1. TEAPスコア利用方式、
2. 学部学科試験・共通テスト併用方式、
3. 共通テスト利用方式
授業が全て英語でおこなわれる国際教養学部、理工学部英語コース、SPSF(※)は、特殊な入試方式がとられています。
※SPSF‥‥Sophia Program for Sustainable Futures の略称。受験(出願)時に学科を選択し、Sustainable Futuresをテーマにした共通科目を英語で学ぶ学位取得プログラム。
上記以外全ての学部・学科で全方式を実施しており、出願資格を満たしていれば、各方式内の複数学部・学科や3方式の併願が可能です。学部・学科によっては2段階選抜が実施されるので、詳しくは大学ホームページや入試情報サイトを確認してみてくださいね。
「①TEAP利用方式」と「②学部学科試験・共通テスト併用方式」では、出題傾向が異なることに注意してください。法学部の試験の場合、「①TEAP利用方式」は比較的自由で網羅的な出題傾向があり、正攻法の詰め込み学習では対応できない応用力重視の問いが多いのが特徴です。
一方、「②学部学科試験」の問題は一般的な模試と同じように、知識勝負の問題が多いです。過去問を確認しながら、自身が得意な出題傾向や併願校の出題傾向との兼ね合いで、入試方式を選択してみてくださいね。
2-2. 上智大学の特別入学試験
大きく分けて以下の方式が用意されています。
1. 指定校制
2. 公募推薦制
3. 帰国生入学試験
4. カトリック高等学校対象特別入学試験
5. 国際バカロレア利用方式
「②公募推薦制」「③帰国生入学試験」「④カトリック高等学校対象特別入学試験」においては、志望理由書の提出に加え、学科試問と面接が課されます。
外国語学部などは外国語の基礎知識、法学部や総合グローバル学部は小論文、経済学部や理工学部といった数学的知識が必要とされる科目は、数学や理科の個別試験が課されています。
特別入学試験では、どの入試方式にも「志望理由書」が課されます。この記事や、大学のパンフレット・ホームページを確認しながら志望理由を固めていき、自分がやりたいことを明確にして、志望理由書でアピールするようにしましょう。
また、志望理由書を基に面接がおこなわれるので、志望理由書の提出から約1か月後にある面接までに、さらに自分の中で内容を深めておくことが重要です。
*「志望理由書」の書き方や「面接」については、これらの記事の内容を押さえておきましょう。
>> 大学受験「志望理由書」の書き方と差別化のポイント ~先輩体験談と合格のためのアドバイス~
>> 大学受験「面接」の対策法を紹介! ~大学の調べ方・受験の準備段階にできること~
3. 上智大学のアドミッションポリシー
ここからは上智大学の「アドミッションポリシー」について解説します。
「アドミッションポリシー」とは、各大学が入学者の受け入れ方針を示したものです。大学側がどのような学生に入学してほしいか、自学の教育理念や特色に照らし合わせて考えが明確化されています。
推薦入試で必要な「志望理由書」は、自分の興味と大学でしたいことをマッチさせながら書いていく流れになるかと思います。このため、志望大学のアドミッションポリシーを理解しておくことは大変重要です。
上智大学の4つの柱となるアドミッションポリシーの紹介とあわせて、実際に大学に通うことで感じている〈上智大学でできること〉を添えますので、ぜひ参考にしてみてください。
3-1. キリスト教ヒューマニズム精神の涵養
まず、1点目は「キリスト教ヒューマニズム精神の涵養」です。
上智大学はキリスト教の大学なのでキリスト教についての学びに触れる科目が設定されており、1年生の必修授業として「キリスト教人間学」という授業が開講されています。この科目群は、「キリスト教と音楽」「キリスト教と死生学」「キリスト教とジェンダー」「キリスト教と美術」「旧約聖書論」などさまざまに展開されており、キリスト教になじみがない人でも、自分の興味に合わせて履修科目を選ぶことができます。
また、カトリックセンターにおいて昼休みにミサが開催されていたり、聖書を学ぶ講座が開講されていたりします。カトリックの宗教的概念を理解する門戸が開かれているといえるでしょう。
3-2. 他者に仕えるリーダーシップの涵養
2点目は「他者に仕えるリーダーシップの涵養」です。
他者のために、他者とともに生きる精神-”For Others, With Others”- を育むこと、社会から受ける恩恵を自覚し、それにともなう責任感を抱くこと、リーダーシップに必要な基礎能力を培うことが、目標とされています。
「ダイバーシティーウィーク」「アフリカウィーク」「国連ウィーク」など、大学主体でおこなわれるイベントの運営など、年間を通して主体的に活動できる機会が用意されています。また、大学主体の著名人の講演会が定期的に開催されているので、リーダーシップを学べる機会は多くあります。
3-3. グローバル・コンピテンシーの養成
3点目は「グローバル・コンピテンシーの養成」です。
グローバル・イシューへの関心を抱くこと、複数の言語でコミュニケーションできること、さまざまな文化の違いを上智大学では22か国語の外国語で学ぶことができます。一般的には外国語大学でしか学べないような、ペルシア語、トルコ語、スワヒリ語など多岐にわたります。また、英語で授業が進行される英語開講科目がどの学部にも用意されており、「英語”を”学ぶ」のではなく「英語”で”学ぶ」経験ができます。
また、学内に留学生も多く、「留学生サポーター」という業務を通して、留学生の日本での生活サポートや留学生向けの日本語講座のボランティアなど、日常生活で留学生との関わりの機会が多く用意されています。語学が堪能な人もそうでない人も、学内で無料で受けられる語学講座に申し込むことができるので、在学中に語学力を伸ばすことができるでしょう。
3-4. 幅広い教養と専門分野の知識・能力の修得
4点目は「幅広い教養と専門分野の知識・能力の修得」です。
幅広い教養やコミュニケーション能力など社会人としての基礎能力、専攻する学問分野における専門的知識・能力を修得することを目的として、幅広い一般教養科目や、他学部他学科の授業が履修できます。
例えば、私は法学部に通っていますが、経済学部の科目を法学部の卒業単位に組み込むことができたり、はたまた看護学部の授業において公衆衛生を学んだりすることもできています。
上智大学では2022年より、日本の文系大学で初めてデータサイエンスの履修を必修化しました。プログラミング言語をはじめとして、データ分析の授業も多く開講されています。
4. まとめ
上智大学には多様な入試方式があり、何と言っても圧倒的にグローバルな学術環境が強みです。
これから志望理由書を書く人、大学生活に思いを馳せたい人に、この記事で少しでも上智大学の魅力が伝わっていたらうれしいです。上智大学入試への挑戦、応援しています!