多くの受験生が「志望大学に行きたい!」と思う一方で、どうしても勉強に手がつかなくなる瞬間がありますよね。その時によく言われるのが「モチベーションが湧かない」「やる気が出ない」といった言葉です。
一方で、受験勉強を最後までやり切って、大学合格を達成していく人たちもいます。彼らはなぜそれを成し遂げられるのでしょう。
大学受験は人生の選択のスタートであり、“ただなんとなく受験勉強する”だけでは長くは続きません。現代の大学受験に必要な「キャリア教育」を組み込んだ指導を展開する大学受験予備校BLOOMに、モチベーションを下げないための方法を紹介していただきました。
*執筆協力:大学受験予備校BLOOM
1. 大学合格はゴールではない
1-1. そもそも大学受験とは…
そもそも「大学受験」とは何なのでしょうか。
大学受験とは、自分の人生を左右する一大イベントです。もう少し具体的に言うと、大学受験を通してどのようなプロセスで努力すれば自分の目標を達成できるかという、“目標達成の技術”を学ぶことができるイベントです。この技術を用いて、自分の生きたいように生きていける力を養えるのが大学受験です。
1-2. 大学受験は“手段”
第1志望の大学に合格したにもかかわらず、その後全く勉強せず、遊んでばっかりという大学生は珍しくありません。それはある意味仕方ないことで、なぜなら彼らは“大学受験=ゴール”として、勉強を頑張っていたからです。
しかし、大学受験はあくまで、自分が将来楽しく生きていくために学ぶ環境を得て、自分の生きたいように生きていくためのイベント、すなわち手段なのです。受験勉強におけるモチベーションについて考える際には、まずこの発想を念頭に置く必要があります。
2. 人間は目的のために行動する
2-1. モチベーションが上がらない人へ
「大学受験が近づいているのになかなか勉強を始められない…」――それは、あなたの生まれつきの弱さでも、あなたの根性がないからでもありません。“大学受験に目的を見出せていないから”です。
人間は、目的のために行動する生き物です。例えば、雨が降っている日曜日、目的がなければ家でゆっくりしますよね。しかし、大好きなアイドルのコンサートがあったり、大好きな漫画の発売日だったりという動くための目的があれば、その達成のために行動するでしょう。それだけ、人間は無意識のうちに目的を大切にして生きています。
しかし、「大学に行きたい!」「将来こうなりたい!」という思いがあっても、勉強に手がつかないという人もいるのではないでしょうか。大学受験に目的があるにもかかわらず、です。こういった場合は、何が起きているのでしょうか。
2-2. 受験をダイエットで考えてみよう!
最近ちょっと太ってきたから運動を始めたとします。しかし目の前にケーキを出されたらどうでしょう。痩せたいにもかかわらず、手を伸ばして食べてしまいませんか?実は受験勉強もこれと同じです。
ここで大事なことは、「人間は明確なものに向かう」ということです。
ダイエットの例で言うと、目の前のケーキがその時最も明確なものです。見た目や香りはもちろん、味もその快楽も容易に想像できますし、手を伸ばすだけで手に入れられます。
受験勉強も同じく、大学に合格したいと思っていても、その瞬間の眠気、YouTube、ゲームなど、手を伸ばせば簡単に手に入る明確な快楽がそこら中にあります。大学合格なんて遠い未来よりも、今目の前にある明確なものに人は向かう、ということです。
ではどうすればよいのでしょう。この問いには、第1志望の大学に合格できる人たちがアンサーを持っています。第1志望の大学に合格できる人たちは“明確なヴィジョン”をもっているのです。
ダイエットの例に戻りましょう。ダイエット中のケーキを忍耐できる人には“明確なヴィジョン”があります。例えば、「友達が恋人と海を楽しんでいる様子を見て、自分も次の夏までにそうなりたい!」というヴィジョンです。または、「体型のせいで好きな人にフラれてしまってその相手を見返したい!」というヴィジョンかもしれません。
なぜダイエットをするのか、ダイエットを完遂した先に何が待っているのか。これらを明確に描けている人だけが、ケーキを忍耐できるのです。
受験勉強に当てはめるとどうでしょう。受験勉強中のサボりやスマホを忍耐できる人には“明確なヴィジョン”があります。
例えば医学部志望なら、“自分を病気から救ってくれたお医者さんに憧れて、自分も同じようにたくさんの命を救いたい”というヴィジョンです。ここまでカッコいいヴィジョンでなくても構いません。金持ちになりたい、ある人を見返したい、兄に負けたくない、モテたい、……何でもよいのです。ただ、そのヴィジョンがどこまで明確かが大事です。
2-3. 明確なヴィジョンだけを見据えて
目の前にあるものは明確で、人間はそれに振り回されます。普通なら遊びに使える時間・体力・お金を、わざわざ勉強に費やす――勉強に体力・時間・お金を費やして、その日1日で帰ってくるのは“疲れ”です。目の前のことだけを見れば払ってばかりで、損をしているような気がしてくるかもしれません。目の前のことだけを見ていたら、やらなくてよい理由(言い訳)は無限に湧いてきます。
しかし何のために勉強しているかと言えば、1年後の大学合格やその先の未来の“理想の自分”のためですよね。その時にやっと、払ってきたもの全てをチャラにできるほどの達成感やエネルギーが、「がんばってきてよかったな」「自分もやればできるんだな」「次はどんな挑戦をしよう」といったように、心の底から湧き出てくるのです。
2-4. 目的が何よりも重要!
つまり、目的が明確であればあるほど、人間はそれに向かって行動できるということです。
どんな勉強法がよいか、どんな参考書がよいかを考えるよりも先に、大学受験に対する自分の目的を明確にしましょう。その目的が、あなたの望む世界に導いてくれるはずです。
3. 心が躍動する“あなただけの生き方”を!
ここまで書いたことは、8割の受験生は実行できていません。圧倒的多数がこの考え方をできていないのですから、「できていない自分はダメ」と責めなくて大丈夫です。
しかしこのことは、「第1志望に合格できる受験生は全体の2割」というデータにも表れています。大多数の8割の考え方だからといって、第1志望を諦められますか?
日本で美徳とされている生き方があると思います。大学を卒業して、とりあえず就職して、結婚して、家庭をもつ、といういわゆる一般常識的な生き方です。この生き方を否定するわけではありませんが、この生き方があなたの本当に生きたい生き方かを考えてみてください。
人間のパワーが最も発揮されるのは、その人らしく、その人のやりたいことをやっている時です。自分らしさ、自分が本当にやりたいことは何かということを考えてみてください!
4. まとめ
人間は目的のために動く生き物で、大学受験にも目的が必要です。しかし、大学受験はあくまで手段です。自分が思い描く最高の生き方をするために最もよい環境を選びましょう。それが、第1志望校になるはずです。
そこに進むためには決めたことをやり遂げる力と、未来を明確に描くための情報が必要になります。
あなたがあなたらしく輝ける人生を歩めるよう、応援しています!