高校3年生の1年間に何をすれば志望校の合格を掴めるでしょうか?この記事では、大学受験に向けた高校3年生の年間スケジュール前半戦、〈1学期~夏休み〉にどんな勉強をすれば良いのか、模試の日程やその時期にやっておかなければならないタスクについてまとめています。
現役大学生が教えてくれた、受験生時代の体験談もあわせてぜひ参考にしてください!
*高校3年生後半期(2学期~受験直前期)についてまとめた記事はこちら。
>> 【合格を掴む!】高校3年生の大学受験対策スケジュール<2学期~受験直前期>
※模試日程は2024年4月時点の情報です。
※河合塾の全統模試は「個人で申し込みの場合(一般生)」(東京会場)のスケジュールを掲載しています。学校で一括申し込みをする方や河合塾生・マナビス生の方は在籍する団体にご確認ください。会場によって実施日が異なる場合や実施されない場合があります。
1. 高校3年生1年間の流れ
大学受験に向けた1年間をまずは大まかに見ていきましょう。一般選抜試験の場合、多くは1月〜3月が受験当日となっており、その本番に向けて勉強することになります。
受験生として勉強を始める時、まずは自分がどの大学を志望するかを決めましょう。実際に受験する大学は出願時に最終決定しますが、1年間勉強する上で志望校が定まっていることはモチベーションの維持に繋がります。遅くとも高校3年生の夏前には決めておくと良いでしょう。
まず、1学期から夏休みにかけては、基礎固めと苦手の発見・克服に力を入れて勉強します。秋から増える模試など、応用問題に対応するための基礎的な学力を養う時期です。また総合型選抜や学校推薦型選抜は、夏ごろから出願が始まります。
2学期からは徐々に入試に向けた問題演習が増えていきます。国公立大学の受験に必要な「大学入学共通テスト」はこの時期に出願します。また、年明けには私立大学入試の出願もあるので募集要項も手配しましょう。そして冬休みから入試直前期には過去問を用いた演習を積み重ね、試験本番に合わせて調整を進めます。
入試本番の日程は「共通テスト」が1月18日・19日(2025年度日程)、私立大学一般入試・国公立大学二次試験は1月末〜2月末に集中しています。
※この記事では総合型や学校推薦型選抜についても触れていますが、これらの入試は一般選抜よりも時期が早く、個別の対策も必要になります。詳しいスケジュールについてはお早めに各大学のホームページや募集要項をご確認ください。
2. 高校3年生1学期の過ごし方
2-1. 勉強に使える時間が増える時期!基礎固め&勉強習慣づくり
高校3年生の1学期は部活の引退などで勉強に使える時間が増え、受験生として気持ちを切り替えて勉強を進めていく時期です。いきなり発展的な内容に取り組むのではなく、学校の授業と並行して今まで学習してきた内容の基礎を固めていきましょう。勉強する時間の確保など、受験勉強の習慣化もこの時期に確実にしておくとよいです。
2-2. 高校3年生1学期の模試・やるべきこと
この時期の模試は、「共通テスト」に準じたマーク模試や記述式の全国模試など、自分の現在の実力レベルを知ることのできる〈第1回〉のテストが実施されます。実力を確認するとともに、苦手の洗い出しもおこないましょう。
~模試日程のまとめ~
※日程は2024年度の情報です(2024年4月時点)
【河合塾全統模試】
〈受付開始日:4月1日(月)〉
・4月21日(日)プライムステージ
・5月5日(日・祝)第1回全統共通テスト模試
・5月12日(日)第1回全統記述模試
【駿台模試】
〈受付開始日:4月2日(火)〉
・5月12日(日)第1回駿台atama+共通テスト模試
・6月2日(日)第1回駿台全国模試
〈受付開始日:5月10日(水)〉
・7月21日(日)第2回駿台atama+共通テスト模試
《駿台atama+共通テスト模試って?》
オンラインで実施期間中ならどこからでも受けられる、駿台予備校の新しい形式の模試です。一斉に会場に集まることなく、自分のタイミングでパソコンなどのデバイスから受験することができます。
また、従来の模試では返却まで1ヶ月程度かかる「採点結果」が、その場でわかるのも特徴のひとつ。感染症対策の影響が大きい時期や、受験手続きに十分な時間が取れない時など、このようなオンラインの模試を利用してみるのもひとつの手です。
【代々木ゼミナール】
〈受付開始日:4月16日(火)〉
・6月16日(日)名大入試プレ
〈受付開始日:5月13日(月)〉
・7月13日(土)、14日(日)第1回東大入試プレ
〈5月21日受付開始(火)〉
・7月21日(日)第1回京大入試プレ
なお、「学校推薦型選抜」(推薦入試)は6月ごろから募集要項が配布されるので、受験しようと考えている人はチェックしておきましょう。「総合型選抜」や「学校型選抜」では、高校3年生の1学期までの成績が使われます。学校の授業はしっかりと受けておきましょう。
また、私立大学の総合型選抜では出願の前にオープンキャンパスに行くなど、一定の条件を満たさなければならない「エントリー」要項があり、6月〜夏休みの間にそれらを済ませなければならない場合もあるので要注意です。
2-3. 実際の体験談 ~高校3年生1学期を振り返る~
実際に大学受験を経験した現役大学生が高校3年生1学期の時を振り返り、具体的な過ごし方についてアドバイスします。ぜひ参考にしてみてください。
私は部活の引退が4月にあり、3年生になってすぐに勉強に使える時間が増えました。しかし6月に体育祭があり、出し物の準備など学校行事でかなり時間を取られることもあったのですが、むしろ準備の時間が勉強のリフレッシュの時間になり、メリハリがつくとともに良い思い出にもなりました。体育祭が終わったあと、勉強に疲れた時には「まだ文化祭があるから!」と2学期の文化祭を楽しみにしていたくらいです。
学校行事について時間を取られてめんどうくさいと思う方もいるかもしれませんが、メリハリをつけて楽しむといい思い出になりますよ!
(お茶の水女子大学 Y.T.さん)
〈推薦対策と一般対策の並行勉強法〉
私は推薦入試本番が9月中旬だったので、5月くらいから一般対策をメインに推薦対策のための「志望理由書」の作成と「小論文」の対策を、息抜きのように捉えていました。(推薦入試と言っても大学ごとに試験日が大きく異なるので、試験日から遡って3か月前から4か月前くらいを目安にスタートしてください)
推薦対策と一般対策の時間配分に迷う人もいると思います。人それぞれですが、文章を書くことが得意な人は、「一般対策:推薦対策=7:3」くらいを目安にしてみるのはどうでしょうか。一方で文章を書くことが苦手な人は、新聞コラムの要約など基本的なことから始め、起承転結を意識した分かりやすい文章の練習を最優先しましょう。その場合、時間配分は「一般対策:推薦対策=1:1」を目安にしてみてくださいね。
(上智大学 M.O.さん)
3. 高校3年生夏休みの過ごし方
3-1. 受験の天王山 苦手克服と基礎力向上を目指そう
受験生の夏休みは勉強に使える時間がとても多く、かといって何となく過ごしてしまうとすぐに過ぎてしまう、周りと差がつきやすい重要な時期です。
この時期には集中的に時間を使えるので、1学期に引き続き基礎力の向上と苦手の克服を徹底しておこないましょう。また、得意科目については少し発展的な内容の学習を進め、秋から増える模試や過去問演習に向けて力をつけていきます。
3-2. 高校3年生夏休みの模試・やるべきこと
高校3年生の夏休みには、引き続きマーク式と記述式の全国模試があります。特定の大学の入試に特化した、いわゆる“冠模試”も夏休みあたりから増えてきます。
~模試日程のまとめ~
※日程は2024年度の情報です(2024年4月時点)
【河合塾全統模試】
〈受付開始日:6月19日(水)〉
・7月28日(日)第2回全統共通テスト模試
・8月25日(日)第2回全統記述模試
・8月4日(日)第1回東大入試オープン
・8月11日(日・祝)第1回名大入試オープン
・8月11日(日・祝)第1回京大入試オープン
【駿台模試】
〈受付開始日:6月3日(月)〉
・8月10日(土)、11日(日)第1回東大入試実践模
・8月18日(日)第1回京大入試実戦模試
【代々木ゼミナール】
〈受付開始日:6月4日(火)〉
・8月4日(日)九大入試プレ
〈受付開始日:6月11日(火)〉
・8月11日(日)第1回 大学入学共通テスト入試プレ
〈受付開始日:6月18日(火)〉
・8月18日(日)東北大入試プレ
・8月18日(日)阪大入試プレ
なお、「総合型選抜」の出願は9月頃から始まるので夏休み中の準備が欠かせません。
「学校推薦型選抜」では校内選考や願書配布があります。
3-3. 実際の体験談 ~高校3年生夏休みを振り返る~
実際に大学受験を経験した現役大学生が高校3年生夏休みを振り返り、具体的な過ごし方についてアドバイスします。ぜひ参考にしてみてください。
夏休みは勉強時間を確保しつつ、集中力を切らさず勉強をすることを目標としていました。朝は1時間家で勉強し、9時までに学校へ移動、夕方に塾の自習室に移動していました。こうすることで、疲れてきたころに気分転換を兼ねた移動ができるのでよかったです!
学校に行くと、チャイムによって時間を区切ることができるので、勉強計画も立てやすかったです。
(上智大学 M.O.さん)
夏休みは高校の教室で勉強していました。冷房代の節約のため、友達と他のクラスの教室にお邪魔して席を借りて勉強したり、朝6時に学校に行き、誰もいない教室で勉強したりしていました。
夏休みは長時間勉強できる日が何日も連続しているので、学校で友達と一緒に勉強して、行き帰りの移動でリフレッシュすることができたので良かったです!
(お茶の水女子大学 Y.T.さん)
実質的な夏休みは2週間しか無かったので計画を立てて勉強していました。高3夏は第一志望校のオープンキャンパスに参加後、推薦入試に備えて日本史の勉強をしながら志望理由書の下書きを作っていました。一般入試対策と言えば少し過去問に手をつけた程度であまりできませんでした。
1日のスケジュールは朝10時から近所の図書館で勉強し、昼過ぎから塾の自習室に移動し夜10時くらいまで勉強していたように思います。
(青山学院大学 M.N.さん)
私は勉強の集中力が長時間続かなかったので、高校の自習室や近くの図書館、カフェなど、午前と午後で勉強場所を変えて気分転換しました。勉強内容については理系科目の基礎固めを中心に、問題演習に取り組みました。基礎内容の抜けが多かったので、無理に志望大学の過去問演習に入らなくてよかったです。
ただ、夏休みの序盤に第一志望の過去問を1年分解きました。自分の実力と志望大学までの距離を実感でき、今後何を勉強すればよいか明確にできます。
(中央大学 Y.H.さん)
4. まとめ
高校3年生1年間の前半期について、主なスケジュールや受験生としての過ごし方を紹介しました。
各時期に進めておくべき全般的な勉強内容とポイントを以下にまとめます。
- 1学期:これまでの履修内容の復習と基礎固めを進める。第1回模試の結果を活用して自分の苦手分野を発見する。
- 夏休み:勉強に多く割ける時間を利用して引き続き基礎を固める。苦手は確実に潰しつつ得意科目の得点力を伸ばす。
まだまだ先が長く感じる高校3年生の前半期。漠然と過ごしているとあっという間に時間は過ぎてしまいます。できることから着実に取り組んでいきましょう。
*高校3年生後半期(2学期~受験直前期)についてまとめた記事はこちら。
>> 【合格を掴む!】高校3年生の大学受験対策スケジュール<2学期~受験直前期>