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【東大生のお悩み相談Q&A】 国語「現代文」で確実に得点したい受験生へ ~評論文・小説問題攻略のヒント~

2019.07.04

国語の「現代文」が苦手で対策法がわからない、母国語を使った科目なのに模試で現代文の得点が伸びない…と悩んでいる受験生は、文系・理系問わず意外と多いようです。現代文の評論・小説問題ともに、大学受験で成果を出す勉強法と解法の注意点を、東大合格をつかんだ先輩たちが教えてくれました。東大生たちの現代文対策に学んで、苦手意識を今すぐ取り払いましょう。

1. 現代文が苦手・・・勉強法を教えて!

Q:国語がとにかく苦手です! どうやって勉強していましたか?(高校1年生・男子)

【東大生の回答】

私自身も高校時代はとにかく国語が苦手でした。学校から出される課題も手を付けたくないほど嫌いでした。
私は理系ですが、東大の入試では理系でも2次試験で国語が出題されます。結局3年生になってあわてて取り組みましたが、1・2年生時にサボっていたツケで思うように成績を伸ばすことができませんでした。
結局どんなに苦手でも、受験期になれば嫌でも国語と向き合わなければなりません。それならば、早い内から対策に取り組むことをオススメします! 
例えば、現代文の文章題を週に1題ずつやるだけでも1年やれば50題にもなります。その成果は大きいです。
具体的な勉強法や解答時の注意点について、以下にまとめましたので参考にしてください。

*現代文を解く際の心構え:「正解の根拠は必ず問題文の中にある」

●評論文
・解説が充実している参考書・問題集を使う。繰り返し解いて、どのように解けばその解答になるのか、その解き方を確認することが重要。
・問題集を解いた時は解説をざっと読むだけでは不十分。解答解説から「正解の根拠」をしっかりチェックする。
・分からない言葉は国語辞典や『現代文キーワード読解などを使って語彙を増やすこと。
・新聞の評論や論説を毎日読んで評論文に慣れる。

小説
・問われるのは「登場人物の気持ち」。感情移入して自分のセンスや感覚で解答するのはNG。問題文から客観的根拠だけを探し出して登場人物の心情を分析する。
・解答のヒントになるのは、登場人物の心情が描かれている箇所はもちろん、セリフ、動作、風景(情景)描写の部分。何かのきっかけで場面が変わる箇所に注目する。
・評論文のトレーニングと同じように、問題集の小説問題を解いたら、解答解説から「正解の根拠」を学び取ること。

現代文 キーワード読解[改訂版] 現代文 キーワード読解[改訂版]
国語
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4.5
Z会出版編集部/著
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牛の歩みのようにゆっくりでも構いません。確実に前へ進んでいきましょう!
東京大学 工学部 K.Y

2. 現代文の点数を安定させる方法

Q:模試での国語、特に現代文の得点が安定しません。どうすればいいでしょう?(高校3年生・ 男子)

【東大生の回答】

現代文で「あの時はいい点数が取れたのに今回はダメだった」という場合は、得点できたときの問題が「偶然、自分と相性の良い問題が出たから」という可能性が高いです。つまり良い点が取れるかどうかは「運」になってしまう。これでは安定した得点につながりません。
逆に選択した解答に自信があったのにダメだった、というケースも良くあります。これは「出題者のワナにハマった」からです。
どちらにしても、本番で安定して得点するためには、解答時の状況に応じて次のように対策してみましょう。

正解不正解に関わらず、模試や演習で解いた問題は「なぜこうなるのか」という解答の根拠を突き詰めて理解できるまで復習する。

選択肢を選び間違うことが多いならば「それっぽい」引っかけの選択肢に引っかからないように、選択肢自体の分析力をつけることも有効です。
また、解答する際の前提として、「正解の根拠は本文中にある」という大原則を常に意識してください
読解や解法がまだ勘に頼っている状態ならば、標準レベルの問題をこなして各段落の要旨や構造を確認し、設問や選択肢のポイントを確実に押さえられるようにしましょう。
一方、「何を言っているのか分からない」レベルの問題が出てくる場合は、ほとんどの場合が語彙不足です。書いてあることが正しく読み取れなければ設問に答えられません。まず用語集を使って語彙を増やしましょう。
以上の点に注意して、参考書や問題集などを活用しながら安定した得点力をつけていきましょう。
(東京大学 農学部 K.K)

3. 現代文の評論文問題を解くコツ

Q:現代文の評論文で点が伸びません。(高校2年生・男子)

【東大生の回答】

評論文の点が伸びないということは、筆者が伝えようとしていることが理解できていないのだと思います。
筆者がどういう結論に持っていこうとしているかを意識すれば、おおむね間違えることはなくなります。それを知るためには、文章の最後に着目する、ざっと最後まで読んで細かい読解は後にするなどの方法があります。(私の推測ですが、最初から順に読解しようとして詰まってしまっているんだと思います)
入試までまだ1年以上ある場合は、現代文の参考書(評論文のウェイトが大きいレベル別のもの)に何冊か取り組むと良いと思います。
次に評論文解法のポイントを簡単に挙げてみます。

(1)問題文を読むのに時間がかかる場合
評論文は内容が難しくて前に書いてあることを忘れてしまうという人は、決定的に語彙力が不足しています。
評論文特有の言葉(「観念」「自我」「普遍」「形而上」などの抽象語や、「イデオロギー」「アイデンティティ」「レトリック」などの半ば日本語化した外来語)を普段からチェックしましょう。これらのキーワードがわからなければ論点(=筆者の言いたいこと)が理解できません。
国語辞典や現代文キーワード読解などを手元において、語彙を増やしていきましょう。空いた時間にパラパラめくっているだけでも効果があります。
もう1つは日常的に評論文を読み慣れていないことが原因です。読む訓練をすることです。
まず一番の方法としては、新聞を読むことが挙げられます。新聞には毎日のように、社会・歴史・人間・教育・芸術・科学などについて、文化人や学者の署名入りの評論・論説がたくさん掲載されています。最初は興味ある分野でよいですから、毎日読みましょう。
さらに興味のある分野の「新書」を読むことも、大いにプラスになります。

(2)課題文は読めるが解答するのに時間がかかる場合
こういう人に不足しているのは論理的読解力です。その対策のためのトレーニングはズバリ「評論文問題」を解く訓練です。
問題演習の際のポイントは、抽象的に述べている部分は一旦飛ばして読んで、「つまり」「例えば」などの接続詞に注意して、その前後から理解していくこと。そこから導かれる筆者の「言いたいこと」(筆者の主張)部分に傍線を引きましょう。「言いたいこと」がわからないときには、繰り返し出てくる言葉や、文章の最初と最後の部文に注目します。
評論の設問は筆者の主張に関して出題されますから、あらかじめ論理構造にチェックを入れておけば、「解答の根拠」になる箇所を素早く見つけることができます。
さらに、答え合わせの時に解答解説から「正解の根拠」を学び取ることです。解説をざっと読むだけでは不十分です。
「正解」というからには、必ず明確な理由があります。そしてその理由の「根拠は必ず問題文中」にあります。これを見つけ出すことが、解法のポイントになります。
(東京大学工学部 N.Y)

4. 現代文の小説問題を解くコツ

Q:現代文、特に小説問題の解き方のコツを教えてください。(高校3年生・女子)

【東大生の回答】

現代文の「評論」と「小説」を分けて考えがちですが、入試問題として出される際に「1つの正解がある」点は共通です
小説の内容に関する受け止め方は人それぞれでしょうが、問題で聞かれているのは自由な解釈ではなく、論理的に導き出すことのできる「1つの答え」です
評論を読む際に、対比や抽象/具体を意識して理論展開を追うのと同様に、小説では感情や場面の変化のきっかけに注目し、ストーリー展開のポイントを追うという意識を持つとよいと思います。
評論では「筆者の言いたいこと」が問われますが、小説ではその代わりに「登場人物の気持ち」が問われます。自分のセンスや感覚で解答しても大丈夫だと思うかもしれませんが、それは間違いで、感情移入して「小説問題」を解こうとすると出題者のワナにまんまと引っかかってしまいます。
自分の感覚やイメージを一切排除して問題文から客観的根拠だけを探し出し、そこから登場人物の心情を分析する必要があります。ヒントとなるのは、登場人物の心情が描かれている箇所のほか、セリフ、動作、風景描写、何かのきっかけで場面が変わる箇所です。例えば「明るい気持ち」の時には明るいセリフ、軽やかな動作、明るい風景描写になるはずです。
評論と同じく、答えの根拠は全て問題文中にあります。問題演習をこなして是非コツをつかんでください!
(東京大学 医学部大学院 T.R)