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大学受験のプロが薦める英語長文読解の参考書・問題集[レベル別]厳選3冊

2024.10.04

この記事では、数多くある英語長文読解の参考書・問題集を選ぶ際のポイントを紹介し、さらに、大学受験の指導経験が豊富なプロが推薦する、特におすすめの書籍をレベル別に3冊紹介します。
「英語長文読解の実力を伸ばしたい」「どの参考書・問題集を使ったらいいかわからない」といった思いを抱く、全ての受験生必読の内容です。

この記事は2019年7月に書かれた内容を一部最新の情報にリライトして投稿したものです。

1. 英語長文読解の参考書選び-3つのポイント

英語長文読解の参考書・問題集を選ぶにあたっては、以下の3つのポイントがあります。

(1)「あれもこれも」と買い過ぎない
書店に行くと、長文読解を扱ったものだけでも数多くの問題集が並んでおり、どれを買えばよいか迷ってしまうかもしれません。しかし、一度にたくさんの問題集を購入するのはおすすめできません。結局どれも中途半端になってしまい、実力アップにつながらない可能性が高いからです。
「まずはこの1冊」と決めて集中して取り組むのがポイント。しばらくやってみて、よほど自分に合わないと思ったら、改めて別の1冊を購入することを検討するようにしましょう。     

(2)「自分の実力よりちょっと上」のものを選ぶ
書店で問題集を手に取り、いくつかの問題にざっと目を通して、自分の実力でどのくらい解けそうかを簡単にチェックしましょう。もし、掲載されている英語長文を何の困難もなくすらすらと読めてしまうなら、おそらくその本を買っても実力アップにはつながりません。
逆に、ほとんどまったく理解できないほど難しくても、途中で挫折してしまう可能性が高いでしょう。したがって、取り組むのにふさわしい問題集とは、今の自分の実力よりちょっと上のものということになります。     

(3)「解答・解説」の充実度もチェック
学校の授業では先生が詳しく説明してくれますが、問題集は、基本的に自分1人で取り組むもの。それを考慮すると、「解答・解説」が充実しているものを選ぶ方が確実に進めやすいと言えます。
特に英語の長文読解に苦手意識がある、あるいは長文読解の勉強をこれから始めるという受験生は、「解答・解説」が充実しているものを選ぶことをおすすめします。

2. [レベル別]英語長文読解おすすめの参考書・問題集

では、英語長文の読解対策におすすめの参考書・問題集をレベル別に紹介します。

2-1. ~まずは基礎固め~『ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式』

ポレポレ英文読解プロセス50 : 代々木ゼミ方式 ポレポレ英文読解プロセス50 : 代々木ゼミ方式
英語
英語長文
ポレポレ英文読解プロセス50 : 代々木ゼミ方式
4.4
西きょうじ/著
  • ほしい (28)
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1冊目はポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式』(代々木ライブラリー)です。本書は1993年発売のロングセラーで、25年以上にわたって大学受験生から信頼を得てきた参考書です。
この参考書の特徴として、主に次の2点が挙げられます。     

・「例題」として1パラグラフ分の英文(過去問から引用)が掲載されており、まずこれを全訳する
・「読解プロセス」として、その文章の構文・文法に関するかなり詳細な解説を掲載している     

つまり、英文を全訳するプロセスを通じて、英語の構文・文法を理解していくというのが本書を利用する目的となっており、長文読解の演習を本格的に始める前の準備段階で取り組むのに適しています。
読解のスピードを高めるのは後からで間に合います。まずは、英語の構文を正確に理解できるようになることが肝心。
「基礎固め」を目的に取り組みたい参考書ですが、掲載されている例題のレベルは決して低くはありません。パッと読んですぐには理解できないような、複雑な構文を含む英文が意図的に取り上げられているためです。
本書の「はしがき」には、この本で学んだ読解プロセスがきちんと習得できていれば、「入試英文はほとんどが類題にすぎないと感じられるようになる」と書かれていますが、四半世紀以上にわたって受験生たちから愛用されてきたという実績が、その効果の裏付けとなっていると言えるでしょう。

2-2. ~実力を伸ばす~『やっておきたい英語長文300』

やっておきたい英語長文300 やっておきたい英語長文300
英語
英語長文
やっておきたい英語長文300
4.4
杉山俊一
  • ほしい (9)
  • おすすめ (2)

文法・構文解析の力をじっくり身につけた後は、いよいよ長文読解の実践的な演習に移ります。
ただし、ここでも焦りは禁物。質の高い問題集を1冊ずつこなしていくのが合格への近道です。
おすすめは、河合塾の『やっておきたい英語長文』シリーズです。このシリーズは、やっておきたい英語長文300から始まって、やっておきたい英語長文500』『やっておきたい英語長文700』『やっておきたい英語長文1000』(すべて河合出版)の4冊から成ります。数字は英語長文の語数、つまり英文の長さを表しています。
まずは順当に『やっておきたい英語長文300』から取り組むことをおすすめします。
この問題集には次のような特徴があります。        

200語~400語の英語長文読解問題を30題収録
・多様な設問形式・テーマに慣れることができる
・「解答・解説編」が大いに充実している(問題冊子の2倍の厚さがある)
・情報量が過度に多くない=コンパクトにまとまっている

 受験本番を意識すると、どうしてもスピーディーに問題を解くことや、次から次へと進むことに気持ちが向かいがちですが、まずはじっくり、正確な理解を心掛けることが大切です。
間違えた問題、よく分からない部分などは、「解答・解説編」を熟読して一つ一つ確認しながら進めるようにしましょう。
英語長文読解は復習の仕方が難しく、「解きっ放し」になってしまいがちな分野です。長文読解の復習の仕方については、こちらの記事に詳しいので参考にしてください。
>> 英語長文読解の勉強法は「復習」が命!正しい解き直しルールと陥りがちなNG例

この1冊が終わったら、『やっておきたい英語長文500(河合出版)に進んでみましょう。こちらは掲載される英文の語数が400語~600語となり、より入試本番を想定した問題演習ができます。

2-3. ~発展問題に挑戦~『英語長文問題精講』

英語長文問題精講 新装版 英語長文問題精講 新装版
英語
英語長文
英語長文問題精講 新装版
4.6
中原 道喜/著
  • ほしい (0)
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続いて、難関大学を志望する受験生向けの問題集です。
発行部数1200万部以上、85年以上の歴史を持つ旺文社の『問題精講』シリーズから、英語長文問題精講』(旺文社)を紹介します。
この本の何がそれほどすごいのでしょうか。まず、掲載されている英文自体の質の高さです。この問題集を解き終わった後には、英語力の向上のみならず、豊かな教養までもが身につき、英語を読むことの楽しさが実感できます。内容を深く読み込めば、国語の「現代文」の得点力アップにつながるといっても過言ではありません。
実践的な読解力を鍛えるための工夫も盛りだくさんで、以下のような特徴があります。

・文法・語法・構文など、英語のあらゆる側面について総合的に学ぶことができる
・解釈が難しい英語の構文について踏み込んだ、「研究」というコーナーが面白く読める
・長文問題60題に加え、重要類題40題が掲載されており、量的にも充実している
・実の詰まった1冊でありながら、持ち運びやすい大きさで、値段もリーズナブル   

難関大学合格を目指す人、英語が好き・得意な全ての人におすすめの参考書です。

3. 難関大学は過去問対策にも力を入れよう

受験の直前期には過去問の研究・演習が重要になりますが、特に難関大学は念入りな対策が必要です。
とりわけ、東京大、京都大、大阪大、一橋大などの難関国公立大学、早慶・上智・MARCHなどの難関私立大学の入試問題は一筋縄ではいきません。そこで、全科目の過去問を収録した「赤本」とは別に、英語だけに絞って多数の過去問を掲載した問題集に取り組むことも、非常に有効な勉強法となります。
例えば、「赤本」で知られる出版社・教学社が「難関校過去問シリーズ」と銘打ち刊行しているシリーズでは、以下のような大学がラインナップに含まれます。     

東大の英語27カ年[第10版]』(教学社)
京大の英語27カ年[第11版]』(教学社)
阪大の英語20カ年[第8版]』(教学社)
一橋大の英語20カ年[第7版]』(教学社)
早稲田の英語[第9版]』(教学社)
慶應の英語[第9版]』(教学社)
上智大の英語[第5版]』(教学社)
明治大の英語[第7版]』(教学社)
青山学院大の英語[第6版]』(教学社)
立教大の英語[第6版]』(教学社)
中央大の英語[第7版]』(教学社)
法政大の英語[第7版]』(教学社)

また、特に英語に特色のある難関大学の「予想問題」を掲載している、トフルゼミナールの「英語難関校シリーズ」も大いに有用です。
例えば、以下のような大学がラインナップに並びます。     

東京外大の英語完全予想問題 改訂版』(テイエス企画)
早稲田の英語完全予想問題 改訂版』(テイエス企画)
慶應SFCの英語完全予想問題 改訂版』(テイエス企画)
上智の英語完全予想問題 改訂版』(テイエス企画)
ICUの英語完全予想問題 改訂版』(テイエス企画)

書名に含まれる大学を志望する受験生は、ぜひこれらの問題集もチェックしておきましょう。

4. まとめ

英語長文読解の参考書・問題集選びのポイントは次の3点でした。

「まずはこの1冊」と決めて集中して取り組む
今の自分の実力よりちょっと上のレベルのものを選ぶ
「解答・解説」が充実しているものを選ぶ

使用する参考書・問題集は、「これでなければいけない」というものはありません。
実力アップに役立つかどうかは、個人的な好みやその時点での英語力にも大きく左右されるので、この記事で紹介した参考書・問題集以外にも、優れた参考書・問題集は数多くあります。
そこで役立つのがこのStudiCoの参考書を探すページです。見事大学合格を勝ち取った先輩たちの参考書レビューや、実際の使い方レポートを参考にしながら、自分にぴったりの1冊を見つけてください!

岡本 眞一郎 先生(武南中学・高等学校)
1983年より都立高等学校英語教諭として、都立青山高等学校、都立戸山高等学校、都立白鴎高等学校、2014年より埼玉県立春日部高等学校、埼玉県立浦和高等学校と首都圏の進学校を歴任。2018年4月からは、埼玉県私立の武南中学校・高等学校で教鞭を執り、多くの受験生たちの指導に当たっている。