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【基礎勉強法】英語長文の“読めない!”を解決する苦手克服のための4つのステップ

2018.12.12

英語の総合的な力が問われる「長文読解」は、多くの人が苦手意識を抱きやすい分野ですが、英語長文問題が解けないと悩む人は、基礎がしっかり固まっていないことがほとんどです。この記事では、英語長文読解への苦手意識をはねのけるための勉強法を、4つのステップで紹介します。

1. 英語長文の苦手意識をはねのける4つのステップ

長文読解の問題を解くためには、まず英語の基礎力が必要不可欠です。中学校から習ってきた文法や語法、単語、熟語の知識、英語独特の論理展開のあり方などの理解を積み重ねて、はじめて長文がスムーズに読めるようになるのです。英語の基礎力といえる知識が不十分なままでは、いくら長文読解の練習をしたところで、実力は身につきません。
英語力の「土台」部分を強化するために、まずは以下のステップを踏んでみましょう。

  1.  単語力の強化
  2.  重要例文のインプット
  3.  基本的な文法問題の演習
  4.  短めの長文問題に挑戦

では、これら各ステップでの具体的な勉強法について解説します。

2. ステップ(1)単語力の強化

2-1. 単語力の重要性

長文読解のテクニックとしてよく言われるのが、「わからない単語が出てきたら、文脈から意味を類推する」というものです。
確かに、長文に出てくる単語がすべて知っているものだとは限りませんので、類推力が重要なテクニックなのは間違いありません。
しかし、それはあくまで基礎となる英単語が身についていることが大前提となります。知っている単語が多ければ多いほど、文章の理解が深まり、スピードアップにもつながります。 

2-2. 単語力強化に役立つ○○の活用法

単語を覚える際によく使われるのが「単語カード」です。
単語カードは、通学の時間などのスキマ時間に使えるので、とても効率よく学習ができるツールです。
ただ、単語カードを使って覚える際に、毎回最初から最後までの単語を漠然と繰り返している人がいますが、これはあまり効率的な方法ではありません。
効率的に覚えていくには、自分がその単語を覚えたかどうかをきちんと認識し、苦手な単語に集中して取り組む必要があります。
以下のような流れで単語カードを活用すると効率的ですので、ぜひ実践してみてください。

  1. 覚えるべき単語をカードに写して、短時間でも毎日学習する
  2. [Aもう覚えた][Bまだ自信がない][Cまったく思い出せない]という3つのグループに分類する
  3. B・Cグループの単語を学習する(覚えたものはAグループに移していく)
  4. すべての単語カードがAグループに分類されたら完了!

また、単語カードを作成するにあたり英単語帳が必要となりますが、すでに使用しているものがあれば、それを元に作成しましょう。もし、特に使用している単語帳がない場合、おすすめは、大学入試の定番の英単語帳英単語ターゲット1900[6訂版]』(旺文社)です。

英単語ターゲット1900 6訂版 英単語ターゲット1900 6訂版
英語
英単語
英単語ターゲット1900 6訂版
4.7
ターゲット編集部 編
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この書籍には特におすすめできるポイントが2つあります。

大学入試の「出る順」に単語が配列されている
単語が大学入試の出題頻度順に掲載されているので、最も効率よく実践的な語彙力を身につけることができます。最重要の「赤字」の語義だけでなく、「青字」で記された入試に出やすいフレーズまで覚えれば、入試の即戦力が身につくでしょう。

Webダウンロード&公式アプリで音声が聞ける
もう1つのポイントは、学習サポート内容の充実ぶりです。専用Webページでの音声ダウンロードサービスや公式アプリ「ターゲットの友」を利用すれば、単語の読み上げ音声が簡単に聞けるようになるので、単語カードと併用することで、目と耳からの両方の情報を通し、より効率的な単語学習が可能となります。

この他、自分に合った効率的な英単語の勉強法や、おすすめの単語帳について知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。

>> 英単語の効率的な覚え方を伝授! ~学習スタートから仕上げまでを安心ナビゲート~

3. ステップ(2)重要例文のインプット

3-1. 例文暗記の重要性

単語の次に重要となる知識としては「英文法」が思い浮かぶかもしれません。効率よく学習するためには、英文法書を最初から読み直すのではなく、核となる英語表現を含んだ英文法書の「重要例文」を暗記しておくとよいでしょう。
英語に苦手意識がある場合、「5文型」「関係代名詞」「倒置構文」といった項目について、1つずつ説明を読み、問題演習をこなしていくというのは、とても大変なことです。
そこで、効率よく英文法が理解でき、苦手意識を克服するのに絶好の方法が「重要例文のインプット」です。
多くの例文を暗記すると、長文を読む際に、自分が覚えた例文によく似た表現に何度も遭遇するようになります。それは、英文がいくつかの基本的なパターンが元になって構成されているからです。
つまり、重要例文のインプットは英文の基本的なパターンを覚える作業となります。例文を暗記した上で長文を読み解くと、主語や動詞、目的語の関係などの文法構造が自然と理解でき、長文に対する理解が深まっていくのです。

3-2. 例文の暗記方法

まずは、以下のような例文を覚えて基礎固めをしましょう。

例1) The man standing by the window is my father. (現在分詞による後置修飾)
例2) It was his attitude that made her angry. (強調構文)
例3) It was cold, what was worse, it began to snow. (重要慣用表現what is worse)

ここで重要なのは、例文は「a/an」や「the」、動詞や名詞の形まで一字一句間違えずに、正確に暗記するということです。細かい部分までしっかりと暗記するようにしましょう。

100文程度覚えれば、長文問題の苦手意識はかなり薄れると思います。
例文集では以下のものがおすすめです。

英語暗記例文集 (ISHIZUEシリーズ)』(メーティス)

かなり易しいレベルから、大学受験に必要なレベルまでの例文が詰まっています。
別売りの単語カードとセットで使えば、暗記作業自体も効率アップが期待できます。

4. ステップ(3)基本的な文法問題の演習

暗記した重要例文を自分の知識としてしっかり落とし込んでいくためには、問題を解くことが大切です。
問題を解きながら「暗記した文のどれに似ているか」を意識し、問題の英文と自分の暗記した例文を接続していきましょう。
何も暗記していない時と比べてはるかに問題が解きやすくなっており、解説の意味も頭に入りやすくなっているはずです。
ここまでくれば、長文読解に挑むための下地ができているでしょう。

5. ステップ(4)短めの長文問題に挑戦

文法の問題集をひととおり解き終わったら、100語程度の短めの長文問題に挑戦してみましょう。この時点で、英文がぐんと読みやすくなっているはずです。
長文問題は以下の問題集がおすすめです。

基礎英文問題精講[3訂版]』(旺文社)

基礎英文問題精講 3訂版 基礎英文問題精講 3訂版
英語
英語長文
基礎英文問題精講 3訂版
4.8
中原 道喜/著
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昔から名著として有名なシリーズの1冊です。短い英文を1文ごとに正確に読み込むことで、文法、構文の徹底理解ができ、長文読解力を付ける前段階として、充分な力を蓄えることができるでしょう。選び抜かれた良質な英文により、沢山の名言に出会え、英語の学習を超えた教養まで身に付くといっても過言ではありません。コンパクトな本に情報がぎっしり。ボロボロになるまで読み込みたい1冊です。

6. 先輩の体験談 ~長文読解上達の秘訣~

最後に、語彙力を強化したことで苦手な英語長文読解を克服していった先輩の声を紹介します。

私は長文読解が苦手で、途中でわからない単語が出てくると、そこで止まってしまうというのが悩みでした。ですが、わからない単語を辞書で引いて意味を確認するという作業を根気強く続けたことで、はじめは長い時間がかかりましたが、最終的にかなり読めるようになりました。高1の頃から単語帳で語彙力強化はずいぶん頑張ってきたことも、長文読解力の向上に役立ったと思っています
また、学校で、物語系の読み物教材を使用していました。楽しく読める題材があると、勉強しやすいと思いました。
Nさん/大東文化大学 合格

7. まとめ

苦手な英語長文問題を得意にするには、いきなり読解問題の演習に取りかかるのではなく、まずは以下の4つのステップで基礎固めをしましょう。

  1.  単語力の強化
  2.  重要例文のインプット
  3.  基本的な文法問題の演習
  4.  短めの長文問題に挑戦

どのステップも楽な作業ではないかもしれませんが、現段階で全く読めない英語長文が読めるようになるには、それなりの努力が必要と割り切って頑張りましょう。
この記事で紹介した方法でコンスタントに勉強を続ければ、きっと結果はついてきます!

岡本 眞一郎 先生(武南中学・高等学校)
1983年より都立高等学校英語教諭として、都立青山高等学校、都立戸山高等学校、都立白鴎高等学校、2014年より埼玉県立春日部高等学校、埼玉県立浦和高等学校と首都圏の進学校を歴任。2018年4月からは、埼玉県私立の武南中学校・高等学校で教鞭を執り、多くの受験生たちの指導に当たっている。