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英単語の効率的な覚え方を伝授! ~高校生が抱えがちな“覚えられない”悩みを解決~

2018.12.12

英単語の学習は、「覚え方がわからない」「うまく覚えられない」といった理由から、つい後回しにしがちですが、英語力アップの鍵は、できるだけ早い段階から、語彙力を強化することにあります。英単語の暗記は地味でありながらも、受験成功者は必ずやり続けた作業です。この記事では、その作業に迷いなく取り組めるよう、とっておきの覚え方を紹介します。受験はまだまだ先と思っている高校1・2年生も、ぜひ今日から実践してみてください!

1. 英単語の覚え方 ~最初の3ステップ~

英語力を上げるためには、まず英語の語彙力を増やす努力が必要です。これから暗記を始める人は、次の3つのステップで学習を進めていきましょう。

  1. 受験に必要な単語レベルを知る
  2. 自分が使う単語帳を決める
  3. 1冊マスターを目指して学習開始

1-1. 受験に必要な単語レベルを知る

必要な語彙の総量と難易度は、どのレベルの大学を受験するかによって異なりま
中堅~難関私立大であれば、量を重視して、多くの語数を幅広く覚える必要があり、東大や京大といった特色のある自由英作文を出題する大学であれば、英単語を自在に使いこなす知識も必要となります。
大学受験対策は、時間との勝負。始めに目標大学レベルを定めることで、単語の暗記作業も無駄なく進められるでしょう。
では、具体的に何語程度覚えたらよいのでしょうか。
中学英語の基礎レベルの語彙はすでに身についていることを前提として、新たに覚える単語の数としては、大学入試共通テストに対応するのに2,000語弱が必要と言われています。単語帳で言うと、共通テスト対応 英単語1800 (東進ブックス)がまさにぴったりです。

共通テスト対応英単語1800 共通テスト対応英単語1800
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共通テスト対応英単語1800
4
高橋潔
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私立中堅~GMARCHレベルでは、3,000~3,500語程度の習得が必要と言われ、単語帳では英単語ターゲット1400[5訂版](旺文社)やシステム英単語[5訂版](駿台文庫)などがこの領域をカバーしています。

システム英単語 <5訂版> 必出2000+多義語180 システム英単語 <5訂版> 必出2000+多義語180
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システム英単語 <5訂版> 必出2000+多義語180
4.6
霜康司 刀祢雅彦
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入試の語彙レベルが最も高いのは、一橋大、早稲田大、慶應義塾大、東京外語大などですが、これらの大学では4,500~5,000語の語彙が必要と言われています。単語帳としておすすめできるのは、先ほど挙げた「英単語ターゲット」シリーズの最上位レベルである英単語ターゲット1900[6訂版](旺文社)などが挙げられます。

英単語ターゲット1900 6訂版 英単語ターゲット1900 6訂版
英語
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英単語ターゲット1900 6訂版
4.7
ターゲット編集部 編
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1-2. 自分が使う単語帳を決める

自分の受験に必要な単語レベルが分かったら、次は実際に使用する単語帳を決めましょう。
ここまで、いくつかの単語帳を紹介しましたが、書店にはたくさんの英単語帳が並んでおり、どれを使ってよいか迷いますよね。
語彙の数がそれぞれ異なりますが、まずは現在の自分に合ったレベルの単語帳を選び、その1冊をマスターすることに専念しましょう。基礎的な語彙力が身についていれば、より難度の高い語彙が必要になっても、その対策は高校3年生の半ばくらいからの補強で間に合います。

2.英単語の覚え方(2) ~効率的な暗記のために~

それでは、英単語は具体的にどのように覚えていくのがよいのでしょうか。ここでは、少しでも早く多くの英単語を覚えるための、3つのコツを紹介します。 

  1. 「少しずつ」を「何度も」
  2.  音と一緒に覚える
  3.  単語カードを併用する

2-1. 「少しずつ」を「何度も」

「エビングハウスの忘却曲線」でも知られているとおり、時間とともに強まる忘却に抵抗するためには、一般的な暗記作業において、「反復」が欠かせません。それは、英単語の学習においても同様です。一度だけ暗記するよりも、何度も繰り返して学習した方が、長期的な記憶として定着しやすいという脳の仕組みを利用するのです。「1日で100語を一気に暗記し、その後は一度も復習しない」よりも、「1日5語ずつ、何度も繰り返しながら、20日かけて100語を覚える」方が、その後も長期的な記憶としてとどまりやすいということです。
一度に覚える単語の量を少なめにし、それを継続すること、そして復習を繰り返すことが、英単語を覚える上での、ひとつめのポイントです。

2-2. 音と一緒に覚える

ここ最近は、英語力の中でも「リスニング」と「スピーキング」の能力も重視される傾向にあります。そのため、単語を暗記する際も、スペリングだけを覚えるのではなく、始めから正しく発音された英語音声で耳から覚えていくことが、英語力を総合的に高めていくためには効率的と言えるでしょう。

具体例を見てみましょう。
たとえば、「garage」(ガレージ)、「mobile」(モバイル)といった単語は、すっかりカタカナ語として定着していますね。スペリングまでしっかり覚えている人も多いでしょう。

・garage: ガレージ、車庫
・mobile: 携帯できる

ただ、上記のように「英単語のスペリング:語義」の組み合わせのみで覚えていると、リスニング問題で登場したときに「知っているはずの単語が聞き取れない!」ということが起こります。garageは[ガージ]、mobileは[モボウ]のように発音されることが多く、正しい発音で覚えていないと、リスニング試験中に正しく認識できません。

・garage [ガージ] ガレージ、車庫
・mobile [モボウ] 携帯できる  
※カタカナで示した部分は、実際には「音」で覚えます。

このように、「英単語のスペリング : 正しく発音された英語音声 : 語義」のセットで覚えておくことがポイントです。
最近の単語帳は、CDや音声ダウンロードサービス付きのもの、または対応アプリまであるものがほとんどですから、積極的に活用しましょう。

2-3. 単語カードを併用する

3つめのコツは、「自分で作成する」単語カードの併用です。単語カードは、確実に効果を出せるアイテムのひとつです。その活用方法はさまざまですが、この記事では、単語帳を2周やり終えた段階での単語カードの活用法を紹介します。
個人差はありますが、1冊の単語帳を2周学習し終えても、まだ半分程度しか記憶として定着していない場合があります。しかし逆に言えば半分は覚えたということ。言うなれば、その単語帳の半分は、自分にとってもはや用済みの情報ということになります。
自分が覚えた単語とまだ覚えていない単語が同一ページ上に混在する状況となるため、あまり効率的ではありません。常に1冊持ち歩くのも荷物になりますよね。
そこで、単語帳の5~6割程度を暗記した段階で、まだ記憶に定着していない単語だけを取り出して、単語カードを作成します。単語カードの最大の利点は、覚えたものはすぐにリングから取り外せること。暗記した単語のカードはどんどん外していけるので、覚えていない単語の量が一目瞭然となります。
最初から単語帳をすべて単語カードに書き写すという方法もありますが、膨大な時間がかかるため、一旦単語帳の半分以上を覚えてから、自作のコンパクトな単語カードに切り替える、という方法がおすすめと言えるでしょう。

3. 時短テク!バスの通学時間に○○を活用!

最近は、スマホのアプリを使って、さらに効率的に英単語を覚えることもできますね。実際にアプリを上手に活用して、英単語をマスターした先輩の声を紹介します。

●バスの通学時間に、単語帳のアプリ音声を活用!
私は元々英語が苦手だったのですが、語彙力の基礎があったおかげで、受験本番までに英語力を高めることができました。
私が使った単語帳は、学校で指定されていた『英単語ターゲット1900 [5訂版]』(旺文社)(※最新版は『英単語ターゲット1900[6訂版]』)です。学校では、毎朝単語テストがあり、テスト範囲は20単語で、その中から5題が出題されます。さらに週末に一週間分の単語テストが行われるので、なかなかのスパルタ方式でした。英単語ターゲット1900は、音声をアプリで聞けるので、毎朝バス通学の時間を利用して暗記するように努めていました。おかげで、高3になるまでには、この単語帳を一冊コンプリートすることができ、私の英語力向上に大きく貢献してくれたと思います。
(Nさん/東京都 私立大学 合格)

4. まとめ

英単語力の強化は、総合的な英語力向上の要です。できるだけ早くスタートを切り、自分に合った単語帳・覚え方を見つけて学習を進めることが、英語の得点力アップに直結します。
では、効果的な暗記法のおさらいです。

<英単語の暗記法>

●自分にとって最適な「単語帳」を決め、その1冊をマスターする。
●「少しずつ」「何度も」反復して暗記する。
●音と一緒に覚える。
●半分以上覚えた段階で、単語カードを作成する。

暗記作業は単調で面倒に感じられる時もありますが、受験に成功した先輩たちはそのプロセスを乗り越えてきました。そのことを忘れずに、語彙力増強に励んでくださいね。

岡本 眞一郎 先生(武南中学・高等学校)
1983年より都立高等学校英語教諭として、都立青山高等学校、都立戸山高等学校、都立白鴎高等学校、2014年より埼玉県立春日部高等学校、埼玉県立浦和高等学校と首都圏の進学校を歴任。2018年4月からは、埼玉県私立の武南中学校・高等学校で教鞭を執り、多くの受験生たちの指導に当たっている。