• 英語
  • リスニング

TEAPリスニング対策大全 ~スコア獲得8割以上を目指す人のための黄金ルールとおすすめ問題集~

2021.07.13

TEAPは専用教材の種類が少なく、対策が進めにくい試験の1つです。なかでも「リスニング」は、問題用紙とにらめっこしても得点には結びつかないため、一筋縄ではいかない分野と言えます。
本番の解答場面を意識し、TEAPリスニングのスコア8割獲得を目指す攻略のポイントを紹介します。

1. TEAPとは

TEAPおよびTEAP CBTは、主に高校生を対象に大学入試での利用を想定して開発されたテストです。テスト構成・レベルは日本における「大学教育レベルにふさわしい英語力」を測るよう設計されていて、テスト内容は全て大学生がキャンパスで遭遇する場面(留学も含む)を考慮して作成されています。

リスニング試験の問題構成は以下の通りです。

Part1 A 短い会話文の聞き取り
Part1 B 短い会話文の聞き取り
Part1 C 短い会話文の聞き取り
Part2 A 長い会話文の聞き取り
Part2 B 長い英文の聞き取り

試験は年に3回(7月,9月,11月)の実施、難易度の目安としては英検®準2級〜準1級程度(CFRL A2~B1)です。スコア8割獲得を目指すには、英検®2級~準1級レベルが必要な印象があります。
TEAPのスコアは、技能別に最高点を抽出して大学入試に利用できることが特徴です。
例えば、高校2年生時の11月に「Reading(R):63, Listening(L):60, Writing(W):72, Speaking(S):81」を取得した後、高校3年生時の7月に「R:78, L:67, W:74, S:74」という点数を取得したとします。この場合Speakingのスコアは1度目の方が高かったので、大学への出願に利用する際は「R:78, L:67, W:74, S:81」といったように、技能別に受験回の最高点を抽出して提出することができるのです。
大学の一般入試のように一度きりのチャンスというわけではないので、心のゆとりを持って高いスコアを目指すことができると言えるでしょう
ただし、スコアの有効期限が2年間なので、大学受験の時期に合わせてTEAP受験日程を組む必要があることに注意してください。高校3年生の大学受験時にスコアを使用しようと考えている場合は、高校2年生から受験することが一般的です。

TEAPの受験結果はCEFRとスコアで評価されます。

   CFER  :Common European Framework of Reference for Language

海外で生活したり就業したりする際に必要な言語能力の基準が示されたガイドライン。A1~A2が基礎段階、B1~B2が自立した段階、C1~C2が熟達した段階というように6段階に分けられている 

TEAPではCEFR基準のB2レベルまでの技能を測ることができます。

2. TEAP リスニングの対策方法

ここからは、TEAPの「リスニング」に絞って、具体的な対策方法をレクチャーします。パートごとに見ていきましょう。

2-1. リスニングPart1 A・Bの解説と攻略のポイント

出題構成と取り扱われる主な内容は以下の通りです。
Part1 A:短い会話文の聞き取り・大学生活中心
Part1 B:短い会話文の聞き取り・大学の講義的内容や報道的内容中心
このパートは一問一答形式で各10問ずつ出題されます。TEAPリスニングの中では、比較的レベルも低く聞き取りやすいので、安定した得点源にできるでしょう。PartA・Bで点数を落とさないコツを押さえておきましょう。

●コツ1 問題を開いた後すぐ選択肢に目を通し、どのような話が展開されるかに検討をつける。
問題は一度しか読まれません
。そのため、英文が聞こえてきてから内容を把握し、その後に解答の選択肢に目を通していると、時間がオーバーしてしまうこともあります。まずは選択肢に目を通し、文中にある固有名詞などから、どのような英文が読まれるかの検討をつけましょう。(例:Part1 A:遊びの計画をしている文章なのか、それとも課外活動の話をしている文章なのか。Part1 B:どのような分野の講義内容か、等)

●コツ2 課題文(スクリプト)が印刷されていないのでメモをとる。
問題用紙には課題文となるスクリプトは印刷されていません
。つまり問題の選択肢しか印刷されていません。本文の音声が流れた後に問いが読まれるので、本文が流れているうちにメモを取り、正確に解けるようにしましょう。メモを取る内容としては、会話であれば男女別に話の内容をメモする、講義内容であれば固有名詞に着目してメモする、などが有効です。

●コツ3 集中力勝負なので、問題数をこなして慣れておく
各10問ずつ、全20問の一問一答リスニング問題が続く形式
となっています。
問題自体のレベルは高くないものの、集中力が切れると正答率が下がるので、問題の多さに慣れておく必要があります。問題を解く練習をする際に数問ごとに区切って練習することよりも、Part1 AとPart1 Bを全て連続して解くことを想定し、20問ごとに解くなどの対策が有効でしょう。
また、TEAPの問題集に収録された問題数が足りず、既に解いたことのある問題に出会うことが増えてきたら、ぜひ、英検準1級のリスニング対策教材の「大問1」を利用してみてください。問題の形式が似ているので、多くの問題で練習したい場合、よいトレーニングになります。

〈おすすめ教材〉

英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題 改訂版 英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題 改訂版
英語
英検対策
英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題 改訂版
0
旺文社
  • ほしい (0)
  • おすすめ (0)

英検分野別ターゲット』シリーズ(単語・熟語/リーディング/リスニング/ライティング)(旺文社)

英検準1級 でる順 合格問題集 英検準1級 でる順 合格問題集
英語
英検対策
英検準1級 でる順 合格問題集
5
旺文社/編
  • ほしい (3)
  • おすすめ (0)

英検 でる順 合格問題集[新試験対応版]』シリーズ(旺文社)

2-2. リスニングPart1 Cの解説と攻略のポイント

出題形式は短い会話文の聞き取り 大学の講義的内容に基づいて正しい図表を選ぶ形式です。
全パートの中で最も易しい文章になっているので、このパートは満点を狙いやすいと言えます。計6問の図表問題です。
Part1 Cで確実に点数を獲得するためのポイントは2つです。

●コツ1 先に図表に目を通す。
図表に表題がついている時は、話される内容に検討がつけやすいです。問いが読まれる前に素早く目を通すことで正答率が上がります。

●コツ2 グラフの値が明らかに違うものは消去法ですぐに消していく
文章の前半部分で4択から2択に絞れるようなケースも多々あります。答えが絞られた瞬間に図に印をつけるなど、問題用紙に書き込んでいきましょう。

2-3. リスニングPart2 A の解説と攻略のポイント

比較的長い一連の会話文を聞いて、3題答える形式です。
長い文章の読み上げが続けられますが、会話文であるため、比較的難解な単語は出てこず、誰が何を話しているかさえ追うことができれば対応可能でしょう。
Part2 Aを攻略するためのポイントを2つ解説します。

●コツ1 イギリス英語やオーストラリア英語にも慣れておく
発音の特徴が異なる人たちが同じパッセージの中で話すことがある
ので、聞き取りにくいです。
例えば、アメリカ英語発音の男性とイギリス英語発音の女性の会話文が出題されることがあります。普段、高校の授業で扱われるリスニング問題はアメリカ英語が多いので、イギリス英語やオーストラリア英語に慣れていないケースも多いのではないでしょうか。さらに、同じ会話文の中で様々な地域の発音の人が会話していると、発音のギャップに戸惑い、内容理解に集中できないという事態も起こり得ます。
この問題に対処するには、リスニング練習をする際にシャドーイングをしてみることです。自分の口から同様の発音をまねてみることで、特徴的な英語の発音に慣れておくことができます。

シャドーイング練習については以下の記事も参考にしてください。
>> 「シャドーイング」を極めるコツとおすすめの教材・アプリを紹介! ~英語リスニングを大学受験の得点源に~

●コツ2 話者ごとに話している内容を表にまとめる
複数人での会話が進行する場合、誰が何を話しているかに混乱が生じます。男女の会話であれば、声色で判断できますが、同性で会話が続くと英語リスニングの難易度は一気に上昇します。
TEAPではメモを取ることが認められているので、問題用紙の空いている部分に人名を書いた簡易的な表を作り、その人の属性や話している内容を書き出してみてください。
記憶から答えるのではなく、メモの情報に基づいて答えることによって、「誰が何をしたか」という問いに確実に答えられるようになります。

2-4. リスニングPart2 Bの解説と攻略のポイント

大学の講義のような様々なトピックの長めの文章を聞く形式で、一つの英文に対して3題答えます。出題される講義内容に近い英文では、聞き慣れない専門的な単語が多く話されたり、抑揚の少ない文章が続いたりするので、TEAPのリスニングパートの中では最難関となるでしょう。
難関であるPart2 Bを攻略するためのポイントを3つ解説します。

●コツ1 音声を繰り返し聞き込む
TEAP対策教材の音源の内容を覚えるほど、繰り返し聞いてみてください。聞き続けることで、このパートで求められる発話のスピードに慣れ、求められるリスニング力を自分の中に落とし込むことができます。
通学中や寝る前など隙間時間を利用しながら、日常的にTEAPのこのパートの音声を聞くようにしてみてください。

●コツ2 音読練習をする
リスニング問題の対策が「音読」することというのは意外に感じるかもしれませんが、音読はリスニング学習において非常に有効です。
まず、耳から自分が発音する英語の音声を聞くことで、英語特有のリズムや表現に慣れることができます。音読をしながら日本語の意味を考えることで、頭の中で即座に英語から日本語に訳す作業のスピードも向上します。また、音読を繰り返すうちに、問題本文中に出てくる英単語も覚えることができます。マイナーな単語や専門用語も、音読を繰り返すうちに聞き馴染みのある自分の音声として、自然と頭に入っていくでしょう。

●コツ3 シャドーイングの練習を徹底する
このパートの文章を聞いても理解できない場合は、シャドーイングの練習を徹底しておこないましょう。最初は理解できなくても、繰り返しシャドーイングをしているうちに、英語を英語のままで理解できるようになります。初めはスクリプトと照らし合わせながらシャドーイング。回数を追うごとに、スクリプトなしでシャドーイングができるようになれば、このパートに対応できるリスニング力を得たと言うことができます。

3. TEAPリスニング対策のおすすめ教材

ここからは、おすすめのTEAP対策教材を紹介します。
TEAPの参考書・問題集自体、市販されているものが少ないので、インターネットなどでの購入・取り寄せも適宜検討してください。

TEAP実践問題集 TEAP実践問題集
英語
英語資格(その他)
TEAP実践問題集
5
旺文社/編
  • ほしい (1)
  • おすすめ (1)

【CD2枚付】TEAP実践問題集 (大学入試合格のためのTEAP対策書) 』(旺文社)
4技能全ての対策ができる
ことが特徴で、網羅的な学習ができます。
リスニングアプリ「英語の友」に対応しているので、音源を聞く際もCDプレイヤーを用意する必要がなく便利です。

英語の友とは…
英語の友(iOS・Android対応/ダウンロード無料)
旺文社刊行の英語資格試験対策書に対応したリスニングアプリです。英検・TOEIC・TOEFL・IELTSなど、対策書に付属する音声を再生することができます。CDを再生する必要なく、スマートフォンで手軽に音声が聞けるので、書籍での学習をより効果的に進めることができます。
Part2B 長い英文の聞き取り

TEAP攻略問題集 TEAP攻略問題集
英語
英語資格(その他)
TEAP攻略問題集
0
Karl Rosvold/関 正生
  • ほしい (0)
  • おすすめ (0)

TEAP攻略問題集』(教学社)
過去問とその解説だけでなく、受験のコツや勉強法を掲載していることが特徴です。TEAP対策で初めて取り掛かる問題集にも適しているでしょう。

TEAP技能別問題集リーディング/リスニング TEAP技能別問題集リーディング/リスニング
英語
英語資格(その他)
TEAP技能別問題集リーディング/リスニング
0
旺文社/編
  • ほしい (0)
  • おすすめ (0)

大学入試合格のためのTEAP技能別問題集 リーディング/リスニング [単行本]』(旺文社) 
リーディングとリスニングのパートに問題が絞ってあることが特徴です。分野別に問題が収録されているので、他のどの参考書よりも各技能に絞った学習ができるでしょう。
リスニングの問題に多く取り組みたい人は、この1冊が大きな助けになるでしょう。また、アプリ「英語の友」に対応しているので効率よくリスニングの学習ができます。

4. まとめ

TEAPのリスニングは、パート別の攻略方法に基づき、計画的に対策を進めることが重要です。
紹介した方法や教材を利用しながら、コツコツと対策していくことがTEAPリスニング攻略の鍵になります。

Part1 A・Bのポイント 
出題内容は「短い会話文の聞き取り」。
問題は一度しか読まれないことに留意、選択肢に素早く目を通してメモをとること。また、集中力が途切れないようにあらかじめ演習を重ねて慣れておこう。

Part1 Cのポイント 
出題される文章自体は易しいので、事前に図表の情報などから話される内容に検討をつけ、消去法も使いながら確実に正答を選ぶこと。

Part2 Aのポイント  
出題内容は「長い会話文の聞き取り」。
事前にイギリス英語やオーストラリア英語にも耳を慣らしておくこと。発音の地域差や男女の声色の違いに注意しながら、登場人物別に話している内容を押さえてメモをとろう。

Part2 Bのポイント 
出題内容は「長い英文の聞き取り」。大学の講義のようなトピックから出題される、TEAPリスニングの最難関。
音声を繰り返し聞き込み、音読練習・シャドーイングなどの学習を重ねて、とにかくこのパートの英文のスピードに慣れること。演習段階で、専門的な英単語が問題に登場するたびにチェックしておくことも有効な対策法。

音声を繰り返し聞き込み、音読練習・シャドーイングなどの学習を重ねて、とにかくこのパートの英文のスピードに慣れること。演習段階で、専門的な英単語が問題に登場するたびにチェックしておくことも有効な対策法。

スコア8割以上獲得を目指してリスニング学習に取り組みましょう!

StudiCoサポーター M.O.
上智大学 法学部 法律学科 合格、香川大学 法学部 合格