第一志望は東京大学!…でも、今のままの成績や勉強法では到底合格できる気がしない...。そんな悩みを抱えている受験生に、東大合格をつかんだ先輩たちがアドバイス。
諦めなかったからこそ受験で成功した先輩の体験談や、2浪した先輩が語る受験勉強時代の反省点など、貴重なエピソードは一読の価値ありです。
※この記事は2019年5月に書かれた内容を、一部最新の情報にリライトしたものです。
1. 今の成績とのジレンマ…このまま東大を目指していいの?
【東大生の回答】
私が高校に入学したての頃には、どう転んでも東大に入れるような成績ではありませんでした。2年生の時には理系コースを選択したことを後悔し、本気で文系コースへ変更することを考えるくらいでした。結局、東大受験を決めたのも高校3年生の夏で、その時点でも成績は、「東大受験」という言葉を口にするのもおこがましいレベルのダメダメな成績でした。
しかし、こんな私でも東大に入学することができました。それに比べて、高校2年生の時点から東大志望という明確な目標を持っていることは、自信にして良いことだと思います。偏差値は所詮基準でしかありません。高2の現時点でそんなものを気にしているようではいけません。
成績なんて自分の努力ひとつで伸ばすことができるのですから、偏差値に縛られず、強い意志を持ち努力しましょう。
また、人には才能が開花するタイミングというものがあり、思うように成績が伸びないという場合もあります。ですから、「東大以外の大学には絶対行かない」といったような偏った考えはあまり持たないで、自分のやりたいことができる大学はどこなのかをよく調べておくとよいです。
というのも、プレッシャーを感じすぎると勉強がはかどらなくなることが多いからです。
大学に入って学びたい分野はなんでしょうか? 研究の内容によっては他大学の方が成果を出している場合もあります。希望学部・学科を持つ大学のHPやオープンキャンパスなどを活用して調べてみてはどうでしょうか。あまりプレッシャーを感じ過ぎずに頑張ってください。
(東京大学・工学部 O.Y)
*東大対策については、これらの記事も参考にしてください。
>>東大入試の世界史「大論述」問題を攻略!合格を引き寄せる勉強法と参考書
>>東大入試レベルに必要な英単語力を養うために ~おすすめ英単語帳3選と東大合格者の実践例~
2. 周りの意見との差に苦悩…第一志望を諦めないためのモチベーション
【東大生の回答】
もし、言われたのが入試の1 ヶ月前ならば、受験する大学の変更を検討するべきだと思います。
しかし、そうでないのなら、目標とする大学を変えずにそこを目指して勉強するべきだと思います。先生が「無理だ」と言ったのは「今のままでは」という意味に捉えましょう。
私は、高校3年生になった春の、先生・親との3者面談で、目標としていた東京大学理科一類について、「現役では不合格、一浪すればひょっとしたら合格できるかもしれない」といったことを先生から言われました。
現役で進学する事を第一に考えていましたが、まだ時間はあると考え、目標は変えないまま自分のペースで勉強を進めました。何度か模試を受けるうちに判定も上がっていき、結果として現役合格することができました。
確かに、実際の入試は大学によって異なり、目標を決め、その大学に対応した科目の勉強をしたり、過去問を解いたりといった対策をする事が、合格のためには必要です。しかし、そういった対策をあまり早いうちに始めても効果的ではありません。
2年生の今の時期は、どんな大学を受験する場合でも基礎力をしっかり固めることが重要であり、まずはそこを重点的にやっていくのが大切です。
その時、目標は高く保っていた方が、学習に対する意欲が湧くことにも繋がると思います。
なぜ苦しい受験勉強をするのかといえば、それは自分の行きたい大学に合格するためです。まずこの部分が揺らぐことなく、目標へ向けて自分のペースで勉強していくことが良い結果に結びつくと信じて、がんばってください。
(東京大学・工学部 N.S)
3. 2浪の末に合格!たどり着いた意外な勉強法とは?
※この章の内容はこちらの記事の第4章と共通となります。
>> 【東大生のお悩み相談Q&A】化学の勉強法を教えて!東大生が語る大学受験「化学」攻略への道
【東大生の回答】
私は医学系大学院で勉強している修士1年生です。私の受験での失敗と、それをどう克服していたかを紹介します。
私は2浪しました。なぜ2浪もする羽目になったかというと…勉強してなかったからですね(笑)
もともと数学は好きだったということ、英語は予習の必要のある塾に通っていたことから、この2教科に関してはある程度勉強する習慣がついていました。しかし他の教科、特に化学はほとんど勉強してきませんでした。
今回は化学に絞って話します。ただ、勉強に対する姿勢等は化学を選択していない人にも参考になるかと思います。
さて、現役時代は実際にどうやって勉強していたかというと、定期テスト前に赤点を取らない程度にしかやっておらず、現役の時のセンター試験は、無機の分野など地道に暗記をしていなければならないところは散々で50点くらいでした。
他の科目に関してもコツコツと暗記していくということをしていなかったために、2次試験前の入試問題演習に入ってからも他の受験生と比べて点数の伸びが良くありませんでした。
1浪目の時もあまり化学をちゃんと勉強しないまま過ごしてしまい失敗したので、2浪目ではどうすれば自分がちゃんと暗記できるだろうかと考えました(ここに至るまでが遅いですね)。
2浪目の時にはちゃんと化学を一からやり直そうと思いましたが、単語帳を作ったり、参考書を読んで暗記したりするのは続かないし、覚えられないと経験していたので、とりあえず問題を解くことにしました。
「習うより慣れろ」ですね。
問題集は『セミナー化学』(学校専用教材)、『重要問題集』、『化学の新演習』を順にやっていきました。その際、分からない問題があれば、暗記できていないからなどとすぐに解答を見るのではなく、教科書や参考書を調べて、分かったことをそのままノートに書き写しました。そしてそれを頼りに問題を解いていきました。
大問1問ごとに答え合わせをして、今度は解説をそのまま丸写ししていきました。(英単語を覚える際にもやりますよね?)どうせ暗記しようとしても無理なのだからと思って、漢字の練習のようにただただ写しました。1問ごとに時間はかかりますが、『セミナー』や『重要問題集』は解説が充実しているために得られるものは大きかったと思います。
そのおかげで化学は、センター試験(※現共通テスト)では90点、2次試験では40点(60点満点)を超すことができたと思います。
最初の頃はどうすれば早く、楽に、効率的に覚えていけるかということを考えていましたが、結局は地道にコツコツと目の前の1問1問を大切にして勉強していくことが、合格のために必要だと思いました。
みなさんの中にも暗記が苦手な人もいるかもしれません。受験は長い道のりで嫌になることもあるかもしれません。それでもコツコツと積み重ねていった人が合格していくように思います。みなさんの目標に向かって頑張ってください。
(東京大学・医学系大学院 N.T)